12歳少女の下着を脱がせメジャーで測るなどした疑い

「過去10年間に、大小様々なプロダクションや芸能事務所のマネジメント契約書をチェックし、法的観点から問題がないか見てきましたが、こんなにひどい内容の『覚書』を目にしたのは初めてです。密室で強制わいせつを行うことが可能になるような文言が堂々と記載されているのですから……」

 驚きを隠さず、こう語るのは、芸能界のマネジメント契約について詳しい仲江武史弁護士だ。仲江氏が「こんなにひどい内容は初めてだ」と呆れるのは、「文春オンライン」特集班が独占入手した芸能事務所「エモーショナルファクト」(東京都)の内部資料。未成年のアイドル志望の女性との専属契約を結ぶ際に、「契約書」と同時に署名捺印させていた「採寸に関する覚書」である。 

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 そして、このエモーショナルファクトでは、所属タレントへの強制わいせつ事件が発生し、今月、関係者が逮捕されているのである。その被害者のAさんもこの「覚書」を交わしていたというのだ。

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 2月2日に強制わいせつ容疑で警視庁に逮捕されたのは、芸能事務所社長のX氏だ(その後、示談成立で不起訴。詳しくは「《アイドル志望12歳少女は言われるがまま裸に》強制わいせつ逮捕・芸能プロ社長(46)の卑劣な手口」を参照)

X氏の逮捕を伝えるニュース映像(モザイクは編集部) ANN NEWSより

 全国紙社会部記者が語る。

「X氏は昨年5月2日午後、東京都品川区の写真スタジオで『デビュー時に使う衣装の採寸をするため』と説明し、エモーショナルファクト所属のタレント・Aさん(当時12歳)の下着を脱がせてメジャーで測るなどした疑いで逮捕されました。Aさんの保護者が署に被害を相談して事件が発覚。Aさんは昨年4月にエモーショナルファクトと契約したばかりでしたが、X氏の会社は同社と業務提携の関係にあった。同件はX氏と被害者の間に示談が成立し、先日不起訴となっています」

タレントから「会長」と呼ばれていたX氏

 エモーショナルファクトの関係者が明かす。

「エモーショナルファクトに在籍しているタレントたちはX氏を『会長』と呼んでいました。X氏はイベントや撮影などの現場にも顔を出していました。Aさんとの契約の際にもX氏が立ち会っています。

エモーショナルファクト社のオーディション告知

 エモーショナルファクトはX氏の事務所の元役員Y氏が代表取締役社長。未成年のアイドル志望の女の子数名と契約しています。13~25歳の女性を対象に『ガールズアイドル募集』も行っていました。ただ、Y氏が代表というのは名ばかりで、実質的な権力はX氏が握っているんです。X氏はタレントたちに本名は名乗らず『三浦健二』と名乗っていました」