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日本の「医療崩壊」の正体とは?

 月刊「文藝春秋」3月号では、この米村教授と、元厚生労働大臣・元東京都知事の舛添要一氏、元厚労官僚で現在は地域医療に取り組む宮田俊男医師が、医師会などが声高に叫ぶ「医療崩壊」の正体と、そうした事態を招いた日本の医療が抱える問題点を議論した。

 舛添氏は厚生労働大臣だった2009年、新型インフルエンザの対応にあたった経験を持つ。

 その際、法制度などの不備などを痛感した舛添氏は、民主党政権へ法整備を言い残した。そうして作られたのが「新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)」だ。

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(左から)宮田俊男氏、米村滋人氏、舛添要一氏

 それが2020年3月に改正されて、政府の新型コロナ対策の法的根拠となった。

 また、都知事を経験しているので、その強大な権力を用いれば何ができるかを熟知している。コロナ対策の司令塔たるべき知事の権限についても、実感的に語れるのだ。

 一方、宮田医師の経歴もユニークだ。人工心臓の研究者から医師へ転身。大学病院で心臓外科医として活躍していたが、医療政策に取り組むために厚生労働省へ入った。退官後は東京都内で開業医として在宅医療やオンライン診療に取り組むかたわら、早稲田大学大学院で医療政策を教えている。

 さまざまなバックグラウンドと経験を持つ3人が集結し、なぜ日本の医療が「逼迫」したのか、その背景にある日本の医療が抱えている問題は何か、それを生む医療、政治、法律の欠陥は何か、こうした点について議論が展開された。

出典:「文藝春秋」3月号

「文藝春秋」3月号および「文藝春秋 電子版」に掲載されている座談会「『医療逼迫』犯人は誰だ」で3人が披露した卓見は、第3波が治まりつつある今、政治、行政、医師会が何をすべきかを教えてくれる。

文藝春秋

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「医療逼迫」犯人は誰だ