『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、韓国上映7週目にして、ついに100万人の観客を動員した。

 韓国で配給を担当するSMGホールディングスは、SNS公式アカウントを通じて、「3月6日に100万人の観客を突破し、延べ101万5,616人を動員し、『ソウルフル・ワールド』に続き、2021年に観客100万人が訪れた2番目の映画となった」と発表した。

韓国でも大ヒットしている『劇場版「鬼滅の刃」』だが……(韓国SMGホールディングス公式Facebookより)

 当初、韓国の映画専門家の多くは、テレビアニメの劇場版が韓国では興行に成功した例がないとの前例を挙げ、『鬼滅』が100万人の観客を動員することは難しいと予想した。

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 ところが、『鬼滅』は1月27日の公開初日にいきなり動員数6万6000人あまりで1位となり、公開7週目でも3位をマーク。まさに大善戦を続けている。

劇場版「鬼滅の刃」の上映に駆け付けた人々(筆者撮影)

 これまで韓国で公開された日本アニメーションの興行順位を見ると、1位が『君の名は。』(373万人)、2位が『ハウルの動く城』(301万人)、3位が『千と千尋の神隠し』(216万人)、4位が『崖の上のポニョ』(151万人)、5位が『借りぐらしのアリエッティ』(106万人)の順。『劇場版「鬼滅の刃」』は現在6位だが、今週中に5位を超えることが確実視される。

 しかしここに来て、韓国では、『鬼滅』をめぐる歴史論争が再燃している。

「炭治郎の耳飾り」のデザインが再び問題に

 劇場街で『鬼滅』旋風が巻き起こっていることを受け、韓国のネットフリックスでも、2月21日からテレビアニメシリーズの放映が始まった。

『鬼滅』のテレビアニメシリーズも、ネットフリックス公開3日目にして、韓国の「TOP10コンテンツ」3位になって以来、ずっと上位を記録し、劇場版の興行を後押ししていた。

 ところが、ネットフリックスの公開初期に『鬼滅』の紹介画面に、韓国で「旭日旗に似ている」と論議になっている炭治郎の耳飾りのデザインが日本版から修正されずに掲載されたことで、多くの韓国人から強い抗議を受けてしまった。

(韓国SMGホールディングス公式Facebookより)

 現在では炭治郎の耳飾りのデザインは劇場版同様「韓国仕様」に修正されたが、3月4日の夜、「ネットフリックスで鬼滅が消えた」というネットユーザーらの書き込みが、ネット上に次々と掲載された。

〈ネットフリックスのトップ10から鬼滅が消えている!〉

〈検索してやっと見つけ出したけど、動画は再生できないぞ〉

〈アニマックス(鬼滅TVアニメの韓国版権者)のYouTube広報映像も全部降ろされた!〉

 これについて、ネットフリックス側は技術的なミスだと説明したが、復旧後には「トップ10」から鬼滅が姿を消しており、一部ネットでは、耳飾りについての抗議が影響しているのではないかとの推測が囁かれている。