ロイヤルファミリーとして異例の振る舞い
続いてケンジントン宮殿内でBBCの代表インタビューに応じた。ソファに並んで座っている間も、メーガン妃はずっとヘンリー王子の手を握りしめたままだった。なんだか違和感があるなと思っていたが、ロイヤルファミリーは人前でベタベタしないからだとあとで気付いた。アメリカではごく普通に見える行動かもしれないが、イギリス王室では異例の振る舞いである。
「僕がプロポーズしたのは今月、ケンジントン宮殿のコテージでした」
「チキンを焼こうとしているときでした。本当に自然でとてもロマンチックで……、彼は片膝をついたんです」
ヘンリー王子が片膝をついたことに感動した様子のメーガン妃だが、実はイギリス人男性にとってプロポーズの際に片膝をつくのは基本中の基本だ。
私の日本人の同僚が結婚したとき、イギリス人スタッフが彼に対して「ちゃんと片膝はついたのか?」と真顔で聞いていて驚いたが、イギリスでは今も当然のことらしい。ためしに彼に「自分がプロポーズした時も片膝をついたのか?」と聞いたら、当たり前のように「もちろんだよ」と胸を張っていた。国が変わればプロポーズの仕方も様々である。
「プロポーズに即答したんですか?」というキャスターの問いに、メーガン妃はこう答えた。
「はい! 実際にはプロポーズを最後まで聞いていられなくて、『もうイエスって言ってもいい?』って聞き返しました」
「最後まで言わせてくれなかったんです。それでハグして、僕は手に指輪を持っていたので『あげていい?』って聞いたら、『ああそう、指輪!』って気づいたんです。とても素敵な瞬間でした」
表現力豊かな2人に、そのときの様子が目に浮かぶようである。
2人の出会いに残るナゾ
では2人を引き合わせたのは誰だったのだろうか?
私の気持ちを察したかのように、キャスターが質問した。
「どうやって出会ったんですか?」
「実は、最初は共通の友人に紹介されたんです。その人が誰かというのは……」
思わず答えそうになるヘンリー王子。すると珍しく、メーガン妃が横から口を挟んだ。
「彼女のプライバシーを守ろうと思います」
ヘンリー王子の口をピシャリと封じた。それまではヘンリー王子と見つめあってから答えを口にしていたのに、ここだけ有無を言わさぬスピードだったのが印象的だった。
結局、誰が2人を引き合わせたのか、インタビューでは明らかにされなかった。