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メーガン夫人「もうこれ以上、生きていたくないと思いました」 自殺願望の告白にもイギリスは“しらけムード”の理由

2021/03/09

genre : ニュース, 国際

[ロンドン発]「英王室には二度と戻らない」と宣言したヘンリー公爵(36)とメーガン夫人(39)に米人気司会者オプラ・ウィンフリー氏(67)が独占インタビューした米CBSの2時間特番が、7日夜(現地時間)放送され、英ITVでも8日放送された。しかし、大西洋をはさんで米英両国で反応が大きく分かれた。

「これ以上生きていたくない」という自殺願望も

 メーガン夫人は王室に守ってもらえず「これ以上生きていたくない」という自殺願望があったことや当初、長男アーチーちゃん(1歳10カ月)への人種差別を感じたことも赤裸々に打ち明けた。

 CBSは700万~900万ドル(7億5900万~9億7600万円)の放送権料をウィンフリー氏側に支払ったとされ、アメリカだけで1700万人が視聴。イギリスでは米ハリウッド流「商業主義的自由」が王室の伝統やしきたりに合わなかっただけという冷めた見方が一般的だ。

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 あまりに一方的なメーガン夫人の言い分に「彼女こそスタッフに無理難題を押し付け、精神的に虐待した“とんでもないいじめっ子”だった」と元スタッフ10人がバッキンガム宮殿に不服を申し立てる事態に発展している。

これからの活動を見据えたプロモーション活動

 一方、アメリカでは昨年の米大統領選で、ドナルド・トランプ前大統領を打倒するため、白人警官による黒人男性暴行死事件に端を発した人種差別撤廃運動「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」が吹き荒れた。

 アフリカ系の母を持ち、自由を求めて王室を離脱したメーガン夫人と、王室より彼女を守ったヘンリー公爵を支持する声が、ヒラリー・クリントン元民主党大統領候補やプロテニスのセリーナ・ウィリアムズ選手から相次いだ。そして、英大衆紙や王室には厳しい批判が向けられた。

「自殺願望」があったと打ち明けている人をこれ以上責めるわけにはいかないという深層心理や同情が、視聴者には働く。

 動画配信サービス、Netflixの英王室ドラマ『ザ・クラウン』が米ゴールデン・グローブ賞を席巻する中、悲劇の死を遂げたダイアナ元皇太子妃に自らを重ね合わせ、アーチーちゃんの肌の色という「人種」カードまで切ってみせたメーガン夫人のPR戦略は、大勝利を収めた。

 メーガン夫人にとってこれは王室との中傷合戦ではなく、これからの活動を見据えたプロモーション活動の一環だ。

 エリザベス女王が94歳になり、不人気なチャールズ皇太子への王位継承が刻々と迫る王室は、米富豪ジェフリー・エプスタイン被告(勾留中に自殺)の未成年者性的搾取にアンドルー王子が関係していた疑惑も抱えているだけに、メーガン夫人の告白は致命的な一撃となった。