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王室の伝統か、メーガン夫人の個人的な自由か

 この問題は、王室の伝統か、メーガン夫人の個人的な自由か、どちらを重視するかで見え方が180度異なる。イギリス生活14年の筆者にはメーガン夫人の振る舞いは英国民に寄り添ってきた王室の地道な活動を台無しにしているように映る。ヘンリー公爵がイギリスに戻った時、ブーイングが出ないか心配だ。

 ひと昔前に比べると伝統やしきたりはかなり緩められたとは言え、王族や皇族の結婚が難しいことは、ダイアナ元妃やメーガン夫人、日本では延期された秋篠宮家の長女、眞子さまと小室圭さんの結婚問題を見ても明らかだ。

 白人支配の残滓である王子さまと「アフリカ系奴隷の末裔」(英大衆紙デーリー・メール)、メーガン夫人の結婚はイギリスでは「悲劇の始まり」になってしまったのだが、アメリカでは「おとぎ話」以上の展開を見せている。

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 非白人旧被支配層の独立した女性が白人旧支配階級である王子さまと恋に落ち、カビ臭く、人種的偏見に満ちた王室から救い出して解放する。これこそメーガン夫人が描く「21世紀のシンデレラ・ストーリー」なのだ。

彼女は本物なのか?

 英連邦を公務で訪問したメーガン夫人は「王族として見られることが彼らにとっていかに大切かを目の当たりにした」と総括した。彼女には、旧宗主国と旧植民地のつながりを再確認する儀式にしか見えなかったのだ。

インタビューに応じるハリー王子とメーガン夫人 ©共同

 しかし、メーガン夫人が、常に誰かを批判することで自らの主張を正当化してきたのは事実だ。彼女は本物なのか、それとも「化けの皮」が剥がれるのかは、2人の今後の活動にかかっている。

 ハリウッド流の商業主義に溺れず、Netflixや音楽ストリーミングサービスのSpotifyとの複数年契約を通じ、どこまで社会貢献できるのか。

 激烈な競争社会であるハリウッドを生き抜いたアメリカのキャリアウーマン、メーガン夫人の目に王室はどう映ったのか、メーガン夫人とヘンリー公爵が語った2時間を見ておこう。