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「あからさまな性差別や人種差別」ヘンリー王子が怒りとともに発表した“異例の声明”とは

『ヘンリー王子とメーガン妃 英国王室 家族の真実』より #4

2021/03/09

source : 文春新書

genre : ニュース, 国際, 社会, 読書

 王室離脱後に初めて受けたインタビューで人々をアッと驚かせる告白をしたヘンリー王子とメーガン妃。思えば2人は2016年の交際報道以来、何かと世間を騒がせ続けてきた。かつては、タブロイド紙の攻勢に悩まされていたヘンリー王子が、メーガン妃を守るためにイギリス王室として異例の声明を発表したことも。その際の声明の内容、そして経緯はどのようなものだったのだろうか。

 日本テレビ放送網・前ロンドン支局長の亀甲博行氏による著書『ヘンリー王子とメーガン妃 英国王室 家族の真実』(文春新書)を引用し、ヘンリー王子が胸に納めきれなかった思いを振り返る。(全2回の2回目/前編を読む)

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セクシーすぎる妃殿下

 王室ネタに強いタブロイド紙「ザ・サン」がヘンリー王子とメーガン妃の交際を初めて報じたのは、2016年10月10日のことだった。

 見出しには「ヘンリー王子がガールフレンドのメーガン・マークルとの関係を進展させている。彼女をケンジントン宮殿に泊まらせ、ウィリアム王子とキャサリン妃に会わせようとしている」とある。

©iStock.com

 メーガン妃が2016年10月4日にロンドン入りし、9日にはケンジントン宮殿近くの高級スーパーで買い物をしているのが目撃されたという内容だ。2人はお揃いのブレスレットをしており、ヘンリー王子は近いうちに彼女をウィリアム王子たちに会わせることを計画している、としている。

 このころからタブロイド紙を中心に取材・報道がヒートアップした。

「ザ・サン」のライバル紙「デイリー・メール」の10月30日の見出しには「離婚歴のあるセクシーな女性」とある。ヘンリー王子のお相手であるメーガン妃について掘り下げた記事だ。

 ドラマ「SUITS」を見た方はご存知だと思うが、メーガン妃の演じるレイチェル・ゼインはとにかくセクシーである。胸もとがざっくり開いたシャツやボディラインがはっきりわかるスーツなどの衣装だけでなく、ラブシーンも過激だ。

 とくに、パトリック・J・アダムス演じるマイク・ロスと初めて結ばれるシーンを見た私は目が点になった。倉庫で2人きりで話しているうちに口論となる。レイチェルは立ち去ろうとするが、マイクが腕をつかみ、引きとめる。しばらく見つめあった2人は、やがてキスする。キスは激しさを増し、レイチェルが背中を向けると、マイクが彼女の服のジッパーを下げる。レイチェルは下着姿となり……、続きはご自身で確認されたい。

 これほどセクシーなシーンを演じた女優が王室入りしたのは、世界でも例がないのではないだろうか。

©iStock.com

 この記事はさらに、メーガン妃の肌がさほど黒くないことから純粋な白人と勘違いされ、黒人である母親がまるで彼女の乳母であるかのように扱われたこと、そして過去の離婚歴などに触れている。タブロイド紙なので過激な表現を使ってはいるものの、非常によく調べている記事だと思った。黒人系のためつらい思いをしたというのも、彼女自身がウェブサイトに書いていた内容を引用しており、「フェイクニュース」ではない。