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誰も意見できない「静岡のメディア王」

 大石氏は、1941年に静岡新聞社を創業した大石光之助氏の孫にあたる。1992年、成蹊大法学部卒業後、電通に入社して6年間勤務し、1998年に静岡新聞社に入社。2009年には取締役となり、2012年には、社長に就任した。と同時に関連企業、団体を合わせた「静新SBSグループ」のトップになった。静岡放送はテレビ、ラジオを有しており、文字通り「静岡のメディア王」だ。グループ内では、誰も意見できないオーナーであるがゆえに、今回の辞任劇には時間を要した。報道翌日の5日には、代表権を持たなかった静岡放送の社長を辞任する意向を示したが、静岡新聞社の代表取締役社長については、進退を明らかにしなかった。

大石剛氏

「疑惑の相手が静岡放送の社員だったことで、新聞社は無関係という発想だったようです。しかし、新聞社にも抗議は殺到していて、静岡新聞を扱う販売店にも『購読を止める』との連絡が多数入るようになりました。結局、両社の社長を辞任しましたが、新聞社については代表権を手放しませんでしたね」(広告代理店関係者)

 形の上では経営のトップから退いたが、オーナーという立場から、「院政を敷くのは間違いない」という見方が強い。そして、社員たちを震えさせた“剛腕”ぶりも続くのではないかと危惧されている。

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「FRIDAYにも出ていましたが、『飛ばすぞ』と言ったり、そのパワハラぶりは社内でも有名でした。実は功労者の男性社員が、3月いっぱいで退職するのですが、それも社長のパワハラ発言が原因ではないかと言われています」(前出・SBS元社員)