「今後、困難な状況にある人々が、誰一人取り残されることなく、一日でも早く平穏な日常の暮らしを取り戻すことができるように、復興の歩みが着実に実を結んでいくよう、これからも私たち皆が心を合わせて、被災した地域の人々に末永く寄り添っていくことが大切であると思います。私も、皇后と共に、今後とも被災地の方々の声に耳を傾け、心を寄せ続けていきたいと思います」

「東日本大震災十周年追悼式」に出席された天皇皇后両陛下 ©JMPA

 3月11日、天皇陛下は、雅子さまと「東日本大震災十周年追悼式」に出席され、被災者に寄せる思いを述べられた。全体として上皇さまのおことばよりも長く、「皇后と共に」と2回繰り返されて、震災関連の式典の場で天皇陛下が皇后陛下について言及されたことが強く印象に残った。

 新型コロナウイルスの感染拡大で被災地へ足を運ぶことがかなわず、2月の地震によって福島県へのオンライン視察は延期になっている状況などから、両陛下がそろって被災地へ心を寄せられていることを強調されたのではないだろうか。

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会場に到着された天皇皇后両陛下 ©JMPA

 陛下が今年の誕生日会見で「私も雅子も、今後とも被災地の方々の言葉に耳を傾け、被災された方々の力に少しでもなれるよう、被災地に永く心を寄せていきたいと思っています。そしてまた、機会があれば、10年を超す歳月を経た被災地を訪れてみたいと願っております」と述べられたことと呼応するおことばでもあった。

雅子さまはグレーのシンプルなスーツをお召しに

 これまで追悼式には、上皇ご夫妻や秋篠宮ご夫妻が出席され、両陛下は今回初めて出席された。

天皇皇后両陛下 ©JMPA

 雅子さまはグレーのシンプルなジャケットとスカートのスーツをお召しになり、照明によってはやや紫がかったグレーにも見える、ニュアンスカラーを選ばれている。ブラックのお帽子とパンプスはベルベット風の素材で統一された。追悼式の壇上で、雅子さまは陛下の左後ろに半歩ほど下がるような立ち位置にいらした。