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「名誉殺人」の被害者は、ほぼ若い女性

「CNNは動機について『娘が交際相手と一緒にいるのを目撃して怒りがわいた』とクマール容疑者が供述したと報じています。クマール容疑者は娘の交際相手に不満を募らせており、それが事件の原因となったようです。英インディペンデントは、クマール容疑者の『私が殺した。他には誰もいなかった。体の部分は部屋にある』といった供述も紹介しています」(同前)

 この残忍な事件は、インドでは「名誉殺人」に分類される。

娘の首を持つクマール容疑者 (ニュースチャンネル「INDIA AHEAD」より)

 親族の意向に反した異性と交際したり、婚姻関係にない相手と性交をしたりした場合に「家族の名誉」を汚したとして、親や配偶者などによって起こされる殺人事件のことで、被害者はほぼ若い女性だ。

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「身分社会であるインドではカーストが高位の女性と低位の男性の交際に反対する女性の親族による事件が多い。他にも、同性愛や、不倫などが原因で発生することもあります。レイプの被害者が『汚らわしい』として、親族に殺害されることもある」(同前)

インドでは年間約1000件の名誉殺人が発生している

 名誉殺人はインドやパキスタン、中東などの発展途上国を中心に現在も発生し続けており、男女平等を目指す国際社会にとって大きな問題となっている。2010年代初頭には世界中で年に約5000件もの名誉殺人事件が発生していることを示す国連の統計も公開されたが「減っている様子はない」という。

※写真はイメージです ©iStock.com

「そのうち、インドでは年間約1000件の名誉殺人が発生したと推計するデータもあります。原因は地域に根差した女性蔑視の古い慣習にあると言われている。『(性的に)汚らわしい女性は一族の恥』という考え方が根底にあり、男性の被害はほとんど聞きません」(同前)