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「どんだけ~」の変化形は30番組で62種類
こうして延べ30番組を調べてみた結果、「どんだけ~」の変化形は62種類もあることがわかった。使用2回以下の言葉は以下の通りだ。
「おねむり~」の出所は鬼滅、時代を見すえた新陳代謝が売れる秘訣
上記のリストと前出の使用回数ベストテンを比べると、あることに気づく。以前、頻出していた「いかほど~」「現実~」は延べ30番組で各2回しか言っていない。「背負い投げ~」も4回に留まっている。その代わり、「おねむり~」を12回も使っているのだ。
IKKOは、「おねむり~」の出所について、2021年1月23日の『SHOWチャンネル』でこう述べている。
〈あれなのよ。『鬼滅の刃』なの。だから、わかる人はわかるの〉
大ヒット中の劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』で魘夢(えんむ)が叫ぶ「お眠りィィ~」を取り入れたというのだ。それもそのはず、IKKOは自身のポリシーについて、こう語っている。
〈根本にある哲学みたいなものは持ち続けていいの。その上で、何が時代と合わなくなってきたのかを把握して、時の流れと共に変える部分はどんどん変えていくことね〉(『週刊朝日』2018年6月22日号)
一度、流行語を生んでしまうと、その言葉に翻弄されるタレントもいる。しかし、IKKOは浸透した流行語を使い続けながら、飽きられないように時代に合わせて“変化形”のバリエーションを常に生み出している。これによって、「どんだけ~」は常に新陳代謝を続け、スタンダードな言葉であり続ける。ここにこそ、IKKOが14年間もテレビタレントとして売れ続ける大きな要因があるといえるだろう。