自炊をすれば「男ウケのため」と決めつけられ、外食をすれば「女性は小食だから」と断りなくご飯を小盛りにされる。「女の子にはビールの旨さ、分からないよね~」と勝手にマウントを取られたかと思えば、無料の接待要員として扱われることもある……。 “女”という性に振り分けられた、あるいはそれを選んだ。ただそれだけの理由で、食事ひとつもまっさらな気持ちでは出来ない。一体どうして?
このように、日々の生活の中で“女”を絡めとる悩みや苦しみ。それらを丁寧に描いた作品として話題になっているのが、ComicWalker(COMIC it)にて連載中の『作りたい女と食べたい女』です。ゆざきさかおみ先生によるこちらの作品は、ツイッター発のweb漫画。著者のツイッター掲載の時点で「いいね!」の総数は30万越え! 作品の公式アカウントは開設から2ヶ月で3万フォロワー突破、連載第7話はComicWalkerのデイリーランキング1位を獲得と、乗りに乗っている人気ぶりです。
野本さんの意識を鈍麻させたストレス
料理が大好きな野本さんは、「もっと色々な料理を作りたい、でもひとり暮らしで小食だし、作ったところで食べきれない……!」という思いを日々燻ぶらせていました。そんなある日、野本さんは募る思いと職場でのストレスから、うっかり夕飯を作りすぎてしまいます。
彼女の意識を鈍麻させたストレス。それは、同僚男性から向けられた「(自炊ができるなんて)いいお母さんになるなって」「俺も彼女には弁当作ってもらいたいな」という言葉でした。
「自分のために好きでやってるもんを『全部男のため』に回収されるの、つれ~な~」
目の前に、一人では到底食べきれない量のごはん。落ち込む野本さんの脳裏に、マンションの隣人である春日さんの存在がよぎります。実は昨日、大量のファーストフードを買い込んだ彼女と鉢合わせしていたのです。しかも春日さんは、それを全部一人で食べるという……。野本さんは意を決して、彼女の部屋のチャイムを押します。