現在、萩原みのりは10代のころよりはるかに多くの出演作に追われる日々を送っている。
BS日テレでは看護師たちを描く日本看護協会と協力したドラマ『Memories』が放送中だし、現在Amazon primeで全話配信されている連続ドラマ『お茶にごす。』の中ではヒロイン的ポジションを演じ、今後はテレビ東京での地上波放送も予定されている。『お茶にごす。』の古澤健監督はかつて、新人時代の萩原みのりの初出演映画『ルームメイト』の撮影で「君は俳優に向いているから辞めちゃだめだよ」と声をかけた『恩師』でもある。
そして25日からはいよいよ、主演ドラマ『RISKY』(MBS)が放送される。いわばバイプレイヤーから看板女優に移行しつつあり、今後も連続ドラマ『賭ケグルイ双』(Amazon Prime)や今泉力哉監督作の映画『街の上で』など話題の出演作が控えている。
配信サービスが発達した現在の環境では、こうしたスター女優としてのブレイクが、過去の出演作にも光を当てる。萩原みのりがブレイクすることで、過去の演技も再評価され、それはバイプレイヤーという存在自体への評価のあり方も変えていくはずだ。多くの作品を支えてきた萩原みのりは今、主人公として自分の物語を探し始めている。
大きな病気を経験したことが女優としての強みに
萩原みのりには、『表参道高校合唱部!』で共演した芳根京子との交流が今も続いている。主演と助演という形で、今もファンに愛されるこの作品を支えた2人には、ある一つの共通点がある。それは大きな病気の経験だ。
芳根京子はよく知られるように、中学時代にギランバレー症候群という難病を経験し、克服した過去がある。萩原みのりもまた、病名は明かしていないものの、10代のころに命に関わるような背中の手術を経験している。小学校から新体操のチームに入り、強豪校で全国大会を目指すために中学受験までした彼女は、入学後わずか半年でドクターストップがかかるほどの危機に見舞われる。