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海外の混浴は「宗教」「モラル」「生物学」的視点で決められた
一方、海外では混浴をどのように分けているのでしょうか。フィンランドでは、生物学的な視点で混浴を分けています。というのも、同国での混浴といえばサウナが一般的だから。
また、ドイツのヘッセン州の州都、ヴィースバーデンという有名な温泉地は16歳以下は入場不可の混浴があります。脱衣所から男女混合で利用し、基本的に全裸で入浴します。
「フィンランドは日本のように混浴について年齢で区切らず、子どもそれぞれの発達状況に合わせて判断されます。一方ドイツは、相手が裸でも驚かない、騒がない、凝視しない、飲酒しても社会性が保てる、などの『大人の対応』ができる年齢を判断軸にしています」(上部同)
宗教を理由に混浴ができない地域もあります。例えばキリスト教徒が多いイタリアでは肌の露出を避けるため、水着を着用しての混浴が一般的です。
「世界の混浴事情は、宗教、モラル、生物学的な理由などから考えられています。いろんな考え方がある中で、私たちは何を基準にすべきか。公衆浴場法施行条例だけで考えるのではなく、議論することが大事ではないでしょうか」(上部同)