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「ただ、《アンズ》♂は子孫を残したい気持ちが強いのか、妻の《マカロン》♀以外にも交尾をしようとするんです。生き物的には子孫繁栄に繋がりとても素敵なのですが、《マカロン》を思うと少し複雑な気持ちになってしまいます」(同前)

子孫繁栄に情熱を燃やす《アンズ》
しながわ水族館に掲示された最新版「しな水ペンギン相関図」

恋の台風の目“突進系女子”シロマキ

 しながわ水族館でも、こうした複雑なペンギン関係が繰り広げられているという。なかでも、恋の台風の目になっているのが《シロマキ》♀だ。海獣担当・渡邉さんはこう話す。

「《シロマキ》は、最初にペアになったオスペンギンととっても仲良しだったのですが、彼が高齢で亡くなってしまいました。それ以降、恋の迷宮にハマってしまったようなんです。本来《シロマキ》は惚れっぽい性格だったようで、つがいのいるペンギンを狙ったり、さまざまなオスにアピールを試みています。でもなかなか振り向いてもらえず。ときには恋のベクトルが飼育員に向くこともあって、飼育員を追いかけたり、足もとにすり寄ってきたり……こちらも戸惑います(笑)。でも結局、現在もまだ“おひとりさま”です」

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“突進系女子”シロマキ

 

“突進系女子”《シロマキ》にとっては、三角関係は当たり前のようだ。この先誰とカップリングするのだろうか。

 一方、京都水族館にはアピールをせずとも生来の“魔性”でオスペンギンをメロメロにしてしまう“ペンギン界の叶姉妹”がいるという。京都水族館広報の松本さんによると「《てら(寺町通)》♀や《ろくじょう(六条通)》♀は、恋多きといいますか、とにかくモテるんです」と語る。

京都水族館の「ペンギン相関図2021年版」
「もはや魔性」と言わしめるモテ女《てら》(2020年版相関図より)

 「2020年版の相関図で、《てら》は7羽ものオスからアプローチを受けていました。飼育スタッフによると、ある日《てら》が1羽のオスからじりじりと追いかけられている様子を見て“アプローチを受けているな”と思っていたそうなのですが、そのあと数十分後には、また違うオスから同じように追いかけられていたそうです。あくまでも“過去にそのような行動を見た”ということではありますが、小柄で小顔な《てら》には、何かモテる魅力があるのかもしれません」その後、2021年版相関図で注目を浴びたのが《ろくじょう》だ。