その後、LINEの使い方を覚えた志村さんから森下の元に送られてきたメッセージには、彼女の特徴を活かしたコント案が書かれていた。
「『悠里ちゃん、次のコント思いついた』って、メッセージが来ました。腰くらいまで伸びていた私の長い髪を、スーツ姿の志村さんの頭の上に乗せて、髪が生えているように見えるコントなんですけど、そのアイデア通りに撮りましたよ。
本当にいつも周囲を笑わせてくれて、『止めてくださいよ、殿~』みたいにいうと、少年のようにニコニコ嬉しそうな顔をされていたのを覚えています」
「少年から受け取った手紙」を大事に読んでいた
2010年に放送された「志村けんのぶらり下町探検隊」(テレビ東京系)では、志村さんの意外な姿を垣間見たという。
「スカイツリー周辺を散策するロケのときに、小学生の男の子が志村さんに駆け寄って、『いつも観てます』と言って“アイーン”をやって、手紙を渡したんです。手紙はマネージャーさんに預けるのかなと思ったら、志村さんはずっと大事に手に持っていて、ロケバスに戻ると1人でじっくり目を通されていたんです。最初から最後まで、すごくうれしそうに読まれていて、私が『志村さん、ファンレターはよく読むんですか?』って聞いたら『必ず読むよ』って。すごく子供好きだし、本当にやさしい方だなと思いました」
飲み会では志村さんが聞き役となり、若い子の相談役を担うことも。時には志村さんの隣の席を巡って、女性陣らで話し合いの末、席を決めることもあったという。
「志村さんは、一緒に飲んでいる女の子に『彼氏いるの?』『最近、どうなの?』と自然に話しかけたりする。彼氏とうまくいっていないことを相談していた女の子が、志村さんに『それはツラいよなあ』と励まされ、泣き出したこともありました。
そんな志村さんはモテましたね。飲み会の前に『今日は誰が志村さんの隣に座る?』と、女の子たちで話し合ったことも。新人の子よりは、志村さんと多く共演している子が優先で、気がつくと『バカ殿様』と同じ席順で座っているみたいな感じで(笑)。私もお隣に座らせていただくことがあったのですが、志村さんは口説く感じじゃなくて、照れ屋でいつも優しかったです。『鹿児島の焼き芋焼酎「大地」が美味しいんだよ』と教えていただきました」