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コンビニのソフトクリームまで買ってくれた

 ある日、ダチョウ倶楽部の上島竜兵、番組出演者の女性、スタッフら数十人で志村さん行きつけの鉄板焼き屋へ行ったときのことだった。

「志村さんはコソコソしない方で、個室は選ばれないんですよ。ご家族連れやカップルがいるオープン席で食事をされるんです。だから、最初はザワザワしていた店内が、みんな志村さんの話を聞きたいから店中がコントみたいに静かになる(笑)。それでも志村さんは、お客さんが注目する中、急に“ひとみばあさん”の仕草をして、スタッフらを笑わせたりするんです。他のお客さんも目が離せないですよね。

 夜8時から同じお店で飲み続けて、お開きになったのが朝の5時なんてことも。そのまま、みんなで目の前にあったコンビニに行って、気が付いたら志村さんが女の子4人分のソフトクリームを買ってくれたこともありましたね。両手に抱えて『いいから、いいから』って。コンビニの店員さんも、自然に現れた志村さんの姿を見て驚いていました」

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2016年2月に行われた志村さんの誕生会で。森下さんは後列右端(森下悠里公式インスタグラムより)

最後の言葉は、夫に語った「悠里ちゃんのことをよろしくね」

 森下は、2017年6月に一般人の男性と結婚。翌年に長女を出産した。志村さんと最後に会ったのは、妊娠中に夫婦で訪れた志村さん行きつけのお店だった。

「妊娠中に主人と一緒に麻布十番にあった志村さんの行きつけのお店に入ったんです。そしたら10分後に志村さんが一人でお店に来られて、少しカウンターでお話しすることができました。カウンターに座っていた志村さんが、主人に『悠里ちゃんのことをよろしくね』って声を掛けてくださった。

 私からは『娘が5歳になったら「志村魂」の舞台を観に行きたいです』ってお話したのが最後でした。『待ってるね』って笑顔で言ってくださった志村さんの顔が忘れられないですね。

志村けんさん ©文藝春秋

 この前、私が選んだわけではないのに、娘がYouTubeで『バカ殿様』の動画を観て笑っていたことがあったんです。なんだか奇跡みたいでうれしかった。もういらっしゃらないのが信じられないですね」

「バカ殿様」では、美人揃いの腰元を従えていた志村さん。城を抜け出しても、気心しれたメンバーに囲まれて照れ笑いする姿があった。