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外国人が「Excuse Me!」にちょっと緊張する理由

 私はインバウンドビジネス(※)を中心にお仕事をさせていただく中で、初来日した訪日外国人(特に英語圏)は、混乱状態にあることを大前提にしたほうがいいと思うようになりました。「おもてなし」の一環として、アクセスさん同様、日本全国の皆さんが訪日外国人の気持ちを少しでも理解でき、わかりやすい英語対応ができるように、文春オンラインのコラムを通してサポートしたいと思っています。

※国外から訪れる外国人をターゲットとしたビジネス

  アクセスさんの現場で起きている面白い例の一つとして、「Excuse Me」があります。直訳すると「失礼します」と「すみません」などいくつかの選択肢があがりますね。でも日本人がお部屋やお化粧室に出入りする際の「失礼します!」と声をかけるニュアンスは「Excuse Me」ではスムーズに通じない場合があります。なぜなら英語圏の外国人が「Excuse Me」と言われると「こちらも何かしらリアクションをしないといけない」と思う人が多いからです。清掃スタッフがお化粧室に入って、「Excuse Me!」と声をかけると、個室に入っている外国人も「あ、何かあった?」と思い、ちょっと緊張します。

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 海外のお店で「Excuse Me」と言うと「はい! 何でしょう」と店員さんがこちらを向いてくれることと同じですね。「失礼します」を「私はここにいますよ!」というような日本的な意味合いで言いたいのであれば、「Excuse Me」ではなく「Good Morning」や「Good Evening」と言った方がわかりやすくて親切です。「Good Morning!」と返す外国人がいるかもしれませんが、相手は緊張はしませんし、むしろ「気さくに声をかけてくれて、感じのいいスタッフだな」という印象を受けるはずです。

©文藝春秋

 アクセスさん同様、 訪日外国人観光客が増えることで、いまこのコラムを読んでいるあなたも、より頻繁に何かを質問されるようになるのは間違いないですね。身近な存在となる「初来日の外国人」とどうコミュニケーションをとるか。プレッシャーを感じることなく、「カバ」なミスを楽しみながら、みんなでグローバル化を目指して行きたいところです。これからもたくさんの爆笑シーンがありそうで、ちょっとワクワクしますね!

INFORMATION

「週刊文春デジタル」
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