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精彩を欠く国内のBEVラインナップ

 テスラ以外にも、海外の各メーカーは続々とBEV化に舵を切りはじめている。欧州ではVW(フォルクスワーゲン)グループ、アメリカではGM(ゼネラルモーターズ)グループが、テスラ独走に待ったをかける。中国では法規制によってCO2排出の少ない車種の製造・販売を各メーカーに促しており、「上海蔚来汽車(NIO)」をはじめとするBEV特化型スタートアップ企業の勃興も目立つ。

 そのなかで、国内メーカーの足取りはやや重い。2020年にはホンダがBEV専用車種「Honda e」を、2021年に入ってからはマツダが「MX-30」のBEV仕様を発売しているが、航続距離などの面では際だった性能を示せておらず、価格面での優位性も薄い。

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 現段階で、国内におけるBEV化競争をリードしているのは日産だろう。2010年の発売から改良を重ねてきたBEV専用車種「リーフ」の存在もあり、ディーラー各店舗への充電設備の拡充も進んでいる。

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 さらに、今年発売予定の新車種「アリア」は、航続距離や出力の面でも世界市場で戦えるスペックを用意している。「手放し運転」のCMでも知られる「ProPILOT(プロパイロット)2.0」が搭載されている点や、流行を押さえたスタイリッシュなSUVデザインも、販売を後押ししそうである。

「ハイブリッド信仰」がBEV化に出遅れる原因?

 BEVの覇権争いが世界的に激化するなかで、どうにか土俵に立てそうなのが未発売の「アリア」のみだというのは寂しい限りである。

 国内のメーカー・ユーザー双方がBEV化に慎重姿勢を示している要因の1つに、「ハイブリッド」に対する全面的な信頼が挙げられる。

 1997年に初代プリウスが登場して以来、トヨタを筆頭に「ハイブリッド技術による燃費競争」が過熱し、国内各社は独自に技術を高めていったのだが、このような動向は日本に特有のものだった。結果としてハイブリッド技術は世界でも群を抜くレベルに到達したものの、その完成度の高さがかえってユーザー側のBEVへの関心の薄さにつながっているともいえる。