――何がそんなに惹きつけられたんですか?
なんなんだろう? 端っこに、じっとしていたからなのかなぁ。マジでちっちゃくてかわいくて……震えてたんです。
何かを訴えられているような気もして、この子にしようと決めて。一般的なケージと店員さんに薦められた餌を買って帰りました。
最初はかわいいっていう気持ちから始まったんですけど、日が経つにつれて段々、大切だなって思うようになって、色々と調べるようにもなったんです。
で、調べれば調べるほど、こいつってすぐ死ぬんだなっていうのがわかってくるわけですよ。
「マッチョが震えながら駆け込んできたから獣医さんがびっくりしてました」
――ハムスターはそもそも短命ですもんね。
そうなんです。だから、不安になっちゃって。
朝起きたら死んでるんじゃないかって怖くて怖くてしょうがなくなって、そこからペットカメラを設置したり、怪我しないようにケージの中を工夫したり、徹底的に管理するようになりました。
――その気持ちにはどれくらいで到達したんですか。
一度、ケージの中で痙攣したことがあったんです。ちっちゃい頃って体調がころころと変わるらしいんですけど、そんなの知らないから慌てちゃって。
しかも、ハムスターって弱ってる時ほど強がるらしいんです。
襲われちゃうから、動物として弱みを見せないっていう習性があるというのを聞いてから、俺がなんとかしなければいけないんだ、と思って、どういう行動が体調が悪いサインなのかとか調べまくりました。
知らなかっただけで死ぬんですから、調べるしかないですよね。
――痙攣した時はご自宅にいらしたんですか?
出先でペットカメラを見ていたら、生あくびをすごくしてて。これはやばいなと思って慌てて家に帰って、そのままタクシーで病院へ行きました。
獣医さんがびっくりしてましたよ。こんなマッチョが急に震えながら、慌ててハムスターを持って駆け込んできたんですからね。その時の俺は、ハムスターより震えていました。