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「撮り鉄vs鉄道会社 仁義なき戦い」を見て思う鉄道ファンの“心の叫び”

2021/04/06
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是か非か。「撮り殺隊」も登場…

 こうした撮り鉄のトラブルが話題になり、かなしいかな、世間では「撮り鉄は迷惑なやつら」という認識が広まってきている。中には「迷惑な撮り鉄を成敗しよう!」という正義感を燃やす人も出てきている。

 具体的には、撮り鉄がターゲットにする車両に乗車し、窓から手を出したり、窓に張り紙をするなどの行為だ。もちろん、これが写り込んだ写真は美しいものと言えない。さぞかし撮り鉄は悔しい思いをするのだろう。

(※写真はイメージ)©️iStock.com

 撮り鉄を退治しようとする勢力。『鬼滅の刃』の鬼を退治する鬼殺隊になぞらえて、「撮り殺隊」とでも名づけようか。しかしながら、電車の窓から手を出すのは危険な行為に他ならない。窓に張り紙をするのも、許される行為ではないはずだ。かように撮り鉄と周囲の人のデッドヒートは、さらに泥沼化しているのだ。

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素行の悪い撮り鉄は一部のファン

 ときに凶暴な撮り鉄たち。我々鉄道ファンにとっても、過激な撮り鉄は少しこわい存在だ。「駅で撮り鉄を見かけたら、あまり近づかないほうがいい」とアドバイスする人さえいる。過激な撮り鉄たちのニュースは、我々鉄道ファンにとっても耳が痛い。素行の悪さがニュースで取り上げられる度、鉄道ファン全体の評判が落とされているようで、心を痛めている。

 しかしながら、世間の人に伝えたいのは、迷惑行為をする人たちは、撮り鉄の中でもごく一部の人であるということだ。撮り鉄のほとんどは、ルールを守り、グッドマナーで写真撮影を楽しんでいる。周囲の人や環境にも配慮している。罵声を浴びせたりしない。嫌なニュースを聞くたびに、「一緒にしないでほしい」と心を痛めているはずだ。

(※写真はイメージ)©️iStock.com

 鉄道ファンは、鉄道を愛する、善良な市民だ。鉄道の話を聞かれれば、喜んで、時間を忘れて語り始める。どんな些細な質問にもやさしく答えてあげている。

 私は声を大にして言いたい。

 過激な撮り鉄のことは嫌いになっても、鉄道ファンのことは嫌いにならないでください!

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