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最近のドラマーって、オカズが本当につまらない

――もうひとつ、ポンタさんがよくおっしゃっていたことに、「俺は手数が多いから歌の邪魔をするんじゃないかと思われがちなんだけど、絶対邪魔はしてないんだ」って。ひとつ矜持としてお持ちだったと思うんです。

山下「そこはハル・ブレイン(※米国の名セッションドラマー)と同じ。全然気にならない」

――手数が多くても。

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山下「気にならないですよ。だって歌とレスポンスしてるんだから。手数ってことで言ったら、上原ユカリなんかもっと多い。煽れば煽るほど、ブンブン行っちゃうタイプ。ユカリに比べたら、ポンタのドラムのほうが抑制的ですよ」

山下氏も「I' VE GOT YOU UNDER MY SKIN」を歌ったポンタ氏のアルバム「WELCOME TO MY LIFE」。泉谷しげる氏、桑田佳祐氏、井上陽水氏、NOKKO氏、香西かおり氏らも参加

――いずれにせよ、手数が多いのは問題ないと。

山下「歌聴いてないやつだったら、ただうるさいだけだけど。優秀なドラマーって、大体手数が多い。逆に最近のドラマーって、オカズが本当につまらない」

青山純と伊藤広規も“ピッチャーとキャッチャー”

――オカズに記名性が表れるんですね。

山下「曲想、音楽的な情景の変化って、ドラムが担うものなんです。オカズはそのための絵具のようなもの。僕、自分でもドラムやってたからわかるんだけど、リズムの根幹を担うのは実はベースでね。ドラムが投げる玉をベースが受け止める、言うなればピッチャーとキャッチャーの関係なんです。青山純と伊藤広規のコンビネーションがまさにそうだった。一見のほほんとして見える広規のほうが、精神的に青山を引っ張っていた」

――ポンタさんが「寂しがり屋」だったとおっしゃっていましたが、それと今の話って、どことなくつながるような。

山下「やっぱり音楽に人格って出ますから」

山下氏いわく「やっぱり音楽に人格って出ますから」。若き日の初々しいポンタ氏(Facebookより)

――ポンタさんが叩いている達郎さんのバラードに、そういう性格がうかがい知れるような気がします。

山下「あの人も一人っ子でしょう。僕もそう。ついでに言うなら坂本くんも。だから気が合うんですよ」