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新宿ロフト坂本龍一泥酔事件の真相は?

――せっかくなので、ポンタさんの武勇伝についての確認を。「自暴自伝」では、泥酔した坂本さんを、ポンタさんが笹塚のアパートまでよく送っていったということになっていましたが。

2003年、デビュー30周年記念の一環で刊行された自伝本「自暴自伝」(文藝春秋刊)。全10回、数十時間におよぶインタヴューを真保みゆき氏が再構成した1冊で、ポンタ氏の魅力的な言葉が詰まっている

山下「盛りですよ、盛り。70年代、昔の新宿ロフトでの話でしょ。みんなでセッションして、最後は打ち上げで、店中の焼酎からウィスキー、日本酒まで全部飲み尽くすことがよくあったんです。あそこに潜水艦(のオブジェ)があったのを覚えてます?  ふと見たら、あの潜水艦の中から、ポンタの両足が『犬神家の一族』よろしくにょきっと逆さに突っ立ってた(笑)。それを僕とボーヤとで抱え降ろして、ハイエースに叩き込んで送っていったものです」

――ポンタさんのお話では、その両足は妙齢の女性のものということになっていました。

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山下「だから盛ってるんですって。まあ、彼一流のお囃子みたいなもんですよ(笑)」

ポンタのベスト・ドラムは「この1曲」

――それでは最後の質問です。達郎さんがポンタさんと共演された曲の中から「この1曲」を挙げるとすると。

山下「1曲だったら、美奈子の『恋は流星』かな。あれ、ダブル・ドラムスなんですよ。本当に素晴らしいと思う」

村上“ポンタ”秀一(インスタグラムより)

――ご自身の作品で言えば。

山下「ドラムだけだったら『DANCER』で問題ないんだけど、楽曲的に優れているのは『LOVE SPACE』のほうだから。でも、LPだとB面に入っていた『アンブレラ』とかもすごくいい。ものすごく繊細なプレイなんだよね」

――「SPACY」の曲だったら、どれも問題なく素晴らしいということになりそうですね。

山下「でも、あえて1曲選ぶなら『MONDAY BLUE』かな。あの緊張感は、あの4人でなければ出せなかった。最後、グリスダウンしていって、ふっと演奏が収まるとことか、一人ズレてもダメなんです。あそこを聴いた瞬間、ブースにいた全員が『はあ~っ』とため息をついたのは、今でも忘れられないな」

「(ポンタ氏の)バラードの表現力が、とにかく圧倒的だから」と山下氏が語った「MONDAY BLUE」を収録したアルバム「GO AHEAD!」

 2021年4月11日の、山下達郎氏のレギュラーラジオ番組「サンデー・ソングブック」(TOKYO-FM系 全国38局ネット、毎週日曜日14:00~14:55)では、「極私的 村上“ポンタ”秀一 追悼」特集を放送するとのことです。ファン垂涎の音源が飛び出すかも!?

※4月18日(日)の「サンデー・ソングブック」でも、引き続き「極私的 村上"ポンタ"秀一 追悼 Part 2」が放送されることになりました。本記事とあわせて、ぜひお聴きください。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。