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「家賃の支払いも難しくなって…」コロナ禍でも“歌舞伎町の路上に立つ”女性たちのホンネ

『性風俗サバイバル』より #1

2021/04/08
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有縁と無縁

 坂本さんによると、路上に立っている女性たちは全員が単独で行動しているわけではなく、横のつながりもあるそうだ。そういったつながり=友人・知人の影響で路上に立つようになった女性もいるのかもしれない。

坂本「買春客に関する情報や警察の動向、そして他の女性の情報を共有している子たちもいます。「一部の女性が従来よりも低い単価で客を取り始めているので、こちらも値切られて迷惑している」という話を聞いたこともあります。初対面の男性と密室で一対一になるのはリスクが高いので、自分たちの身を守るために、二人一組で客を取っている子たちもいます。

 一人の女性と信頼関係ができると、そこから他の女性につながることができる場合もあります。横のつながりを介さないと会えない女性もいる。一方で、誰ともつながりがなく、孤立を深めていると思われる40~50代の女性がいるのも事実です」

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 性風俗や売春の世界では、10~20代前半の若い世代であるほど、「友だちが働いていたから」「友だちから紹介されたから」といった横のつながりがきっかけになって、この世界で働き始める女性が一定数存在する。

 貧困や虐待、道徳的退廃や倫理観の欠如、親の愛情不足といった分かりやすい理由ではなく、「友だちがやっているから」という、ただそれだけの理由で、性風俗や売春の世界に足を踏み入れる若年女性は少なくない。

 夜の世界で売春を繰り返すことで、短期間で高収入を得られるようになるが、男性をはじめとする他者に対する信頼や期待は失われていく。履歴書の空白が埋められなくなり、昼の世界の仕事に就くことも困難になっていく。「友だちがやっているから」という理由でなんとなく始めたはずが、気が付けば「この仕事しかできない」状態になっていく。

 歌舞伎町の路上には、つながりによって直引き売春を始めた女性たち(有縁の街娼)と、つながりを失って直引き売春するしかなくなった女性たち(無縁の街娼)が混在しているのではないだろうか。

後編へ続く

「家賃の支払いも難しくなって…」コロナ禍でも“歌舞伎町の路上に立つ”女性たちのホンネ

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