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「どういうかたちであろうと必ずやる」に感じる鈍さ

山口 体操の内村航平さんの「お盆も正月もなくやってきた」「この舞台のためにアスリートは命をかけている」というような発言が注目されました。本当にそうだと思う。でも、国民の目線だと、「すごい覚悟。でも好きでやっていたんだよね」になる。「誰かにやらされてやっていたんですか」と。そこに尽きるんです。

 皆、それぞれが、自分が好きなこと、生きることを頑張っている。アスリートだけが特別じゃないんです。

有森 陸上女子1万メートル代表の新谷仁美さんが「アスリートとしては賛成だけど一国民としては反対という気持ち。命はオリンピックよりも大事なもの」と話していましたが、その葛藤はとてもまっとうで、痛いほど伝わってきました。

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有森裕子氏(元マラソン選手) ©共同通信社

山口 ところが、オリンピック関係者は、そのことに少しセンサーが鈍い。これはIOCにも共通しています。森喜朗さんの「どういうかたちであろうと必ずやる」という言い方がまさにそれなんです。

出典:「文藝春秋」4月号

東京五輪、国民は望むのか」と題した山口氏と有森氏の対談の全文は「文藝春秋」4月号と「文藝春秋 電子版」に掲載している。「無観客でも開催すべきか」や「森発言で明らかになった最大の問題点は何だったか」など、2人の女性メダリストが、封印されてきた問題点をタブーなく摘示している。

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