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JRスタッフが実践中! 外国人の気持ちがわかる「英語対応力アップ」のメソッド

日本在住30年のルーシーさんが教えるインバウンド対策

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JR上野駅のバックヤードへ潜入!

「まずは、現場を見に来てください!」。9月某日、午後1時。ルーシーさんはJR上野駅入谷口改札を出て1階に降りていくと、プラットホームを左手に見ながら駅構内とは様子が異なるバックヤードのようなエリアをどんどん前へと進んでいく。東日本環境アクセス上野事業所での「朝会」に顔を出すためだ。

東日本環境アクセス・上野事業所。まもなく午後の「点呼」が始まる

「『Have a Nice Day企画』で私が何をやっているかというと、おおまかにわけて3つあります。1つ目は、清掃スタッフの方が簡単に使えそうな52の英会話フレーズ。これをまず考えました。2つ目は外国人の気持ちが理解できるように、アクセスさんの社内報にコラムを書いています。そして3つ目は『朝会』。本当は『点呼』といって、各事業所から現場へ出勤する前に事務連絡などを行う短い集会が開かれるのですが、私も実際に首都圏をはじめとする色々な駅の『点呼』へお邪魔して、みんなで英会話フレーズを声に出して読み上げたりしています」

 午後1時30分きっかりに、上野事業所での午後の「点呼」がスタート。

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上野事業所長・清水文夫さん。「上野駅構内では、よく外国の方にラーメン屋の場所を聞かれます」

 事務連絡やストレッチ体操の後に、ルーシーさんのスピーチが始まった。清掃スタッフは電車の発着時刻に合わせてシフトを組んでいるため、終了時刻を1分でも遅らせないように、話せる時間は3分間。

「みなさん、おはようございます! 皆さんにまたお会いできることをとても光栄に思います。実はきのうNHKの『しごとの基礎英語』という番組で10月からの新シーズンの収録があったんですが、今度の番組のテーマは『現場英語』なんです。主人公が色々なお店のスタッフになりきって、英語を使ってぶっつけ本番状態でサバイバルしないといけないという設定。こういう番組ができるぐらい、皆さんが『おもてなし』としての英会話に取り組んでいらっしゃることは最先端のアイディアだと、とても誇りに思っています。改札口やお化粧室を出た外国人に、『Have a nice day』 や『Thank you』 と言われたら、『Have a nice day!』とぜひ言ってみてください!」