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在来線は最もタフな現場です

「私たちの仕事場は在来線で、新幹線とは違います。新幹線は7分間の折り返しで、いかに劇場的に清掃を行うかについて、マスコミやハーバード大で取り上げられたりしていますが、在来線もとてもタフな現場です。厳しい環境のもとで技術を磨いているのは東日本環境アクセスだと思っています。多くのお客様があふれかえる首都圏の駅構内で、時間も少ない中、危険と隣あわせでどうやって仕事をしていくか。非常に高いハードルを超えながらやっています」

 こう語るのは東日本環境アクセスの赤石良治社長。ルーシーさんのインバウンド対策にまつわる講演をきっかけにルーシーさんへ白羽の矢を立てて、「本格的な英会話は難しいんだけれども、清掃スタッフが自信を持って応対ができるように、ぜひアドバイスをいただけないでしょうか」と赤石社長自らメールを送った。

「海外から来られた方が、駅の中で困っている。そんなときに声をかけられやすいのは身近な清掃スタッフなんです。さっそくルーシーさんが英会話フレーズ52題を持ってきてくださったのですが、『いきなり50も覚えられないので、まずは『Have a nice day』から始めてみよう』と(笑)。『Have a nice day』はこれから会話が始まるというより、最後にお見送りする言葉です。当社としては、抵抗感なく負担が軽いところから取り組めたので、とてもいいスタートが切れたと思います」

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赤石良治社長

 2020年の東京五輪に向けて、JR東日本グループ全体でも訪日外国人観光客に向けた取り組みが始まっているという。

「JR東日本グループ全体で『Ticket to Tomorrow』という海外から来られた方に質の高いサービス提供を進めていこうという取り組みを行っています。東日本環境アクセスの勤務エリアは基本的に首都圏。東京都と3県です。まずはなんといっても東京都、日本のインバウンドにおける一大ディスティネーションでしっかりやっていきたいですね。

 よくルーシーさんがおっしゃるのは、『スタッフの皆さんも海外の人を前にして緊張するかもしれないけれども、外国人のほうがより緊張しているんですよ』と。その気持ちを和らげるという意味では、駅員よりも『清掃スタッフやエキナカのスタッフなどがほぐしてあげるほうが、よほどおもてなしとして素晴らしいんですよ』と言われました。そういった面では私たちも丁寧な案内を完璧にこなすというよりは、海外からのお客様とグッドリレーションを作るために始めたんです」