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 早期から「エビバーガー」など独自の商品開発で存在感を発揮し、現在も国内に300店舗以上を展開している『ロッテリア』。韓国や台湾、ベトナムなどアジアでの出店が多いのも特徴だろう(※日本と台湾以外の店舗は韓国法人が運営)。

 最近では通常803円の「リブ」ランチなどを550円で提供する「550円 ランチ割」をスタートし(※4月23日まで)、やはりコロナ禍のランチ需要に応じた施策が目を引く。90年代には一時的に経営不振に陥った時期もあるようだが、見事に生き残り、並み居るバーガーチェーンの中で今も高い支持を得ている。

 変わったところでは、明治乳業が1973年に創業し、最盛期には関東地方を中心に100店舗に達しながらも徐々に衰退した『明治サンテオレ』が、現在も『サンテオレ』として2店舗だけ存在している。

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 現在は明治乳業グループから離脱し、経営母体は2006年に設立された株式会社サンテオレコーポレーション。2007年、横浜高速鉄道みなとみらい線・日本大通り駅構内に出店した日本大通り駅店が新生サンテオレの第一号店で、このほか千葉県東金市のショッピングセンター内に、ラーメンも扱う『サンテオレ讃亭茶屋』という業態がある。おそらく今では、この両店舗が70年代から続く、明治乳業にルーツを持つショップと知る人はほとんどいないのではないだろうか。

鳥貴族が出すハンバーガー店

 栄枯盛衰は世の習い。競争の激しいハンバーガー市場ではなおさらの感があるが、外食産業がコロナ禍に喘ぐ中、鳥貴族が新規事業としてハンバーガーショップ運営に乗り出すことが発表されたのは記憶に新しいところだ。

 鳥貴族ホールディングスはすでに、『TORIKI BURGER(トリキバーガー)』の名称で1号店を8月にオープンすることを明らかにしており、低価格路線のチキンバーガー専門店として勝負をかける。使用する食材はすべて国産にかぎるなど、鳥貴族の方針をそのまま踏襲したスタイルで、既存チェーンにとっては脅威だろう。

 ますます百花繚乱の国内ハンバーガー市場。引き続き今後の成り行きを興味深くウォッチしていきたい。