長引くコロナ禍によるテイクアウト需要を狙い撃ちするかのように、ハンバーガーチェーン各社が次々に新商品、新企画を打ち出している。
マクドナルドは今春から大人層に向けて「サムライマック」と銘打つ肉厚ビーフの新レギュラーメニューを投入し、バーガーキングも昨年のヒット商品である「テリヤキアグリービーフバーガー」の限定販売を4月から開始。さらにはコメダ珈琲までが、肉量最大330gというボリュームで話題を集めた「コメ牛」の肉のみを冷凍食品として通販で販売するなど、ハンバーガー市場は実に賑々しい。
他方では、ここ数年の高級バーガーブームも継続しており、非大手チェーンの店舗もまだまだ元気だ。仕事中でも片手で食べやすいハンバーガーは、確かに在宅ワークのお供として手頃で、もうしばらく活況は続くに違いない。
グリコや森永も参入したバーガーチェーン事業
そんな一大市場を築く日本のハンバーガーだが、その記念すべき国内第一号店が、マクドナルドではなくドムドムハンバーガーであるのはよく知られた話。1970年、東京・町田にオープンしたドムドムはその後、最大400店舗超を出店するまでに成長したが、現在は経営母体の変更を経て、全国に26店舗を展開するのみとなっている。
マクドナルドの日本初出店はその翌年、1971年のことになるが、実は70年代には他にも国内の名だたる企業がこの市場に参入している。たとえば、江崎グリコによる『グリコア』や森永製菓の『森永LOVE』あたりは、40代以降の読者にとって懐かしの2大バーガーチェーンと言えるのではないだろうか。
まず、1973年に設立された『グリコア』は、1993年頃までのおよそ20年間にわたって展開されたチェーン店だ。