「当初はアイスクリームをコーンに盛り付けて提供する、アイスクリームショップのチェーンとしてスタートしました。1975年からサブメニューとしてハンバーガーを加え、さらに1977年頃よりハンバーガーだけでなくその他のメニューも正式に加え、洋風ファーストフードチェーンとして展開をしていきました」(江崎グリコ・広報部)
路面店のほか、ショッピングセンターなどへのインショップスタイルで、最盛期には200店を超えた。一部の店舗ではピザを扱うなど、よりカジュアルなランチ需要を狙った印象が強い。
大きな「LOVE」が目印の『森永LOVE』
一方の『森永LOVE』は、1975年に東京の田町に初出店。首都圏を中心とするドミナント戦略(※地域を絞って集中的に出店する戦略)を採っていたため、その知名度は局所的であったかもしれないが、大きく「LOVE」と掲げる看板のインパクトを覚えている都民は少なくないだろう。
最盛期には直営店とフランチャイズ店を合わせて50店舗以上を展開した『森永LOVE』だが、こちらも約20年存続した後、最終的には日本に進出してきたバーガーキングジャパンに買収される形で歴史に幕を閉じている。
こうした“消えたバーガーチェーン”は意外と少なくなく、ほかにも雪印乳業が70年代前半から出店を進めた『雪印スノーピア』があるが、こちらはすでに経営母体が存在しないため、詳細を追うことはできなかった。
今も一大チェーンとして残る『ロッテリア』
一方で、こうした70年代の創業ブームでスタートをきり、今も存続しているチェーン店もある。その最たる存在は『ロッテリア』だろう。
1972年にロッテグループのファーストフード事業として生まれた同チェーンは、もともと『グリコア』と同じく、当初はロッテ製のアイスクリームを販売するための企画だったというが、アメリカのチェーンストアビジネスに倣い、創業当初からメニューにはハンバーガー類が加えられていた。