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「骨切ってからが整形でしょ」という声も…『明日、私は誰かのカノジョ』作者に聞いた「整形って悪ですか?」

『明日、私は誰かのカノジョ』作者インタビュー #2

note

整形=芸能人の顔だと思っている人も…

ーーあやなの彼氏の反応(整形否定派)は一般的な反応なんですか?

をの  それは分かりませんが、日本において整形に否定的な人はまだまだ多いなと感じます。いまだに整形したら別人になっちゃう、整形は魔法だって考えてる人や、整形=芸能人の顔みたいに考えてる方もいますよね。整形にも様々なモノがあって変化の程度も人それぞれなのに。

ーーどこからが整形なのっていう議論もありますよね。プチ整形ってどうなの?矯正は?みたいな。

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をの 本当にそうですね。骨切ってる人たちからすれば二重の埋没なんて整形に入らないよって。「骨切ってからが整形でしょ」って人もいるから。私は身だしなみの一つとして歯を8本抜いて矯正したんですけどそれを整形って言われたら、たしかにそうかもなって思います。

ーー自己満足でしている整形なのに“男性のためにしている”って言われたりして傷つく女性の話も聞きます。

をの 若い時は私もそうでした。私も3、4年前まで「整形は男性のためにやってない!自分のためだ! 」って言ってた時もあったんですが、今はそれすらも思わないです。結局男性のためにやってないって言ってた時期ってなんやかんや気にしてたのかなと。男性のために整形していないって言うことさえ必要ないって。そういうことがすべて「無」になるっていうのが、本当の意味での自己満になるんじゃないですかね。

ーーたしかに。本当に気にしていないときはなんとも思わないですもんね。

をの もちろん好きな人のためやお金を稼ぐために整形する人もいて、それはそれでいいと思いますね。実際それで売り上げが上がったっていう人もいるし。賛成する権利も批判する権利もあるのでいろんな声があることは仕方ないですね。

(c)Hinao Wono/Cygames

ーー「レンタル彼女」に関してはあまり実態が知られていないような気がするんですが、描くのは難しかったですか?

をの  第1章の雪のシーンは取材するツテもなく調べながら描きました。その後取材の申請が通り、第3章以降では事務所の様子や仕事の雰囲気などで取材を活かした描写ができるようになりましたが、やはり取材のあるなしでは難易度がだいぶ違うと思い知りましたね。