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「骨切ってからが整形でしょ」という声も…『明日、私は誰かのカノジョ』作者に聞いた「整形って悪ですか?」

『明日、私は誰かのカノジョ』作者インタビュー #2

note

パパ活とはなんですか?

ーー作中でも出てくるパパ活とはなんですか?

をの それは界隈の中でも色々と分かれていると思うので一概にこうとは言えませんが…。お茶や御飯だけでお金をもらう人もいれば、性的な関係をもつ子もいます。作中でパパ活をするリナは後者ですね。ただ彼女の場合は、ビジネスライクにパパ活をしているというより、心のよりどころを求めて自分をすり減らしながらパパ活に染まってしまっている、という感じですが。

SNSで可視化された自分の寂しさ

ーーたしかにリナは寂しさを埋めるためにパパ活したり、ナンパされた子に付いて行っちゃったり、結局自分の心をすり減らしてしまっていました。SNSで簡単に人と繋がれる世の中なのに寂しさを感じる人が多いのってどうしてだと思いますか?

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をの 逆にSNSがあることで人間関係が希薄になったからですかね。代わりがきくというか。今までは出会いが少なかったから一人一人との縁を大事にしようという思いがあったんでしょうけど、今は簡単に人と出会える分一人一人の重みみたいなものは少なくなってる気がします。あとは寂しさが可視化できるようになったのも大きいのかな。SNSで人の寂しさも自分の寂しさもわかるようになってしまったので。

ーーInstagramに載ってる写真で自分だけ誘われてないってことがわかることもありますからね(笑)。

をの つらい…(笑)。この飲み会私誘われてない…とか? この旅行なんでこのメンバーだけなの…とか? きつい時代ですね。わざと載せてるのか、自分が考えすぎてるだけなのか。

ーー実際考えすぎなことの方が多いですけど、なんか変なことしたかな…とか悩むこともありそうです。登場人物のみなさん、いろんなバックグラウンドがありながらも前に向かって生きてる子が多いですが、その柔軟性の根源って何ですか? 読者の中にはそういう風になりたくてもなれない子がいたりすると思うんです。

をの みんなそれぞれいろんな過去があると思うんですけど、やっぱりそれでも生きていかなきゃいけないって、その環境を受け入れることですかね。雪の過去はこれから描くつもりですが、雪もなんとか生きていくのに必死で自分を守るのに一生懸命だったからこそ、強そうに見えるんですかね。強そうに見えてるけど実際は悩んでるし、いろんな感情を持っていると思うんです。その部分は誰にもあると思います。結局みんな普通の女の子なんです。普通に喜ぶし、普通に傷つくし。

©今井知佑/文藝春秋

ーー深い…。最後に、これからの連載も楽しみにしている読者へ何かメッセージはありますか?

をの 連載頑張るので応援よろしくお願いします!

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