単行本紙・電子累計100万部突破中の『明日、私は誰かのカノジョ』。レンタル彼女・パパ活・整形・ホス狂と夜の街を舞台に生きる女性たちを描き、そのリアルな描写が女性たちの共感を呼んでいる。なぜここまでリアルに描けるのか、作者の「をのひなお」さんに聞いた。(前後編の前編/後編を読む)

◆◆◆

『明日、私は誰かのカノジョ』を描くに至るまで

ーー若い世代に大人気の漫画ですが、パパ活やレンタル彼女など少しアングラなテイストのこの作品を描こうと思ったきっかけって何かありましたか?

ADVERTISEMENT

をの  最初に今の担当編集さんに声をかけて頂いた際、得意なジャンルについての話になり「お金が絡んだ恋愛なら描ける」と言ったのがきっかけですね。

 

ーー最初からある程度設定は決めていたんですか?

をの  1話のネームを切る段階では実はほぼ何も決まってませんでした。第1章では主人公の雪を軸に話を進めましたが、当初のストーリーが予想外に綺麗にまとまってしまって(笑)。連載を続けるためにどうしようと打ち合わせを重ねた結果、現在のようなオムニバス形式になりました。

ーーパパ活や整形、ホス狂がリアルすぎるという声が多いんですけどそれはどうしてでしょうか?

をの  キャバクラと整形の実体験と連載中の取材を徹底的にやっているのが功を奏しているのかなとは思いますが、どうなんでしょう…。第3章の整形については自分の経験に基づいているのでリアリティについてある程度は自信がありましたが、レンタル彼女やパパ活、ホストにはまる女性に関しては取材頼みでした。ただ取材で聞いた話をそのまま描いたら逆にフィクション感が強くなってしまって(笑)。取材で得た話に想像を加えて毎回リアリティが出せてるか不安になりながらやらせてもらっています。