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ホストにハマり、大学をやめ性産業へ…『明日カノ』作者が語った“ホス狂”がここまでリアルなワケ

『明日、私は誰かのカノジョ』作者インタビュー #1

note

取材で行ったホストクラブがつまらなかった…

ーー作中でも萌がホストにハマる過程も「あるある」ってネットで話題でしたよね。

をの 本当にありがたい話です。萌のホストにハマる前の描写は担当編集の感想が活きてます。第4章を描き始める前に何軒かホストクラブを巡ったんですが、同行してもらった担当編集はもちろん初めてのホストクラブ体験で、彼から「全然楽しくないんだけど…」という感想が出てきたんです。「飲んでも飲んでも酔えないし、ワンセット90分耐えられない。もう帰ろう」って(笑)。その後物語の舞台となった「CRUISE」さんの撮影協力を得て、お酒の種類や内装、ホストさんたちの裏話などを聞いて参考にさせて頂きました。

(c)Hinao Wono/Cygames

ーー萌は作中でホストクラブにどんどんハマっていき、大学をやめ、性風俗でお金を稼ぐという選択をしましたね。

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をの そうですね。楓に振り向いてもらうために、自分を犠牲にしてお金を稼ぎ始めました。モブキャラで自己肯定感が低くて、強い自分を演じる萌のキャラづくりは一番大変でした。 萌以外のキャラクターって私の周りにたくさんいるんですよ。雪っぽい子、リナっぽい子、あやなっぽい子とか。萌っぽい子は私の周りに一人もいなくて。でも私の周りにいないだけでどこかには必ずいるキャラじゃないですか。担当さんにお話を伺ったり、周りの人の話を聞いたり。「こういう人っていなかった?」って聞いて「あ~いたいた」っていう話をどんどん取り入れていきました。