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松山英樹は世界トップとの「差」をどう克服したのか……“戦友”の元キャディーが語る「マスターズ制覇の理由」

松山英樹は世界トップとの「差」をどう克服したのか……“戦友”の元キャディーが語る「マスターズ制覇の理由」

先輩後輩の関係から「戦友」に

 現在の体重は90キロ。太ももの太さは、ツアーメンバーの間でも話題になるほどだという。その上で、妥協のない練習で技術も向上させた。

「トレーニングも練習も、納得するまでやるのが英樹です。一緒にいて、先輩後輩の関係から『戦友』のようにもなりました。時には、うまくいかずに英樹がイライラすることもあったけど、そうしたことはどのゴルファーにもあるし、受け止めるのがキャディーの仕事です。今回のマスターズは、笑顔もあったし、いい緊張感の中で最高の精神状態でプレーできていたと思います。アプローチ、パットが神がかっていたという人もいますが、今の英樹は、あれぐらいできるのが普通です。僕自身は2年前に『やり切った』という思いで日本に帰ってきましたけど、こうして英樹の晴れ姿をテレビで見られて幸せです。グリーンジャケットも似合っていましたし」(進藤氏)

生中継で松山に「チャンピオン!」

 松山の快挙達成から約2時間後、進藤氏は情報番組「ひるおび!」(TBS系)に生出演した。そして、現地にいて中継でつながった松山に「チャンピオン!」と声をかけた。松山は「LINE返したのに、そこにいたんですね」と軽口で応じ、進藤氏は笑顔で「おめでとうございます。めっちゃ、うれしいです。勝つ男だとずっと信じていましたし、やっと勝ってくれたなと。今年中にもう1勝(メジャー)お願いします」と伝えた。

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松山とキャディー時代の進藤氏

 ひと回り離れた男同士の友情……。進藤氏は、今後も日本から「戦友」松山を見守っていく。

進藤大典(しんどう・だいすけ)
​1980年7月3日、京都府出身。明徳義塾時代は朝青龍と同級生。東北福祉大卒。在学中からゴルフ部で同期だった宮里優作(宮里藍の次兄)の専属キャディーを務め、卒業後はプロキャディーに。宮里の後は、大学の先輩にあたる谷原秀人や、片山晋呉、岩田寛、佐伯三貴、北田瑠衣、上田桃子らのバッグも担いだ。2013年4月からは約6年間、松山英樹の専属キャディーとして活動。現在は解説業、執筆活動、講演などメディア業のほかに、ミュアフィールドヴィレッジ株式会社代表取締役としてスポーツマネージメント業なども手掛けている。

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