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《2008年M-1ファイナリスト》U字工事に聞いてみた 「どうして栃木ネタ一本でここまで生き残れたんですか?」

U字工事インタビュー#1

2021/04/14

福田 あとはやっぱり運が大きいですよね。たとえば最初、運よく『いきなり!黄金伝説。』に出させてもらって、それが終わったと思ったら今度は『陸海空 地球征服するなんて』に呼んでもらったり…。定期的に出演させてもらえる番組が終わるたびに、そうやってラッキーっていうんですか? 次の番組にも呼んで頂けて。ひとつひとつの企画は正直、自分らの中でも「これでいいのかな?」と思いながらやっているんですけどね。

益子 エンジンちっちぇえからなぁ。

自分の出た番組を見るのは「今でも恥ずかしい」

福田 俺ら、「絶対にMCになってやる!」みたいな向上心がないんですよ。お笑い番組とかもあんま見ないですしね。家で家族とご飯食べてるときに、たまたま流れてたら「見るかなぁ」ってくらいで。

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――普通のサラリーマンですね。そういった一般人の感覚が視聴者にとっては親近感を持ちやすいということになるのかもしれません。ちなみに、ご自身が出られた番組とかはチェックされないんですか?

福田 一応、録画はしてありますけどね。やっぱり、恥ずかしいんですよ。見るときは勇気を出して…酒の力を借りないと見れないですね。

益子 それはわかるな。俺もよっぽどの手応えがあったやつは見ますけど、そうでもないやつは酒飲んでないと見れないっすね。

コロナ前でも「率先してステイホーム」していた

――テレビ出るようになってから13年ですよね。それでもまだ、恥ずかしさがあるっていうのはとても意外です。

益子 あんまり研究心がないんじゃないんですかね。芸人仲間の飲み会とかもほとんど行かないんですよ。いまは、こういうご時世なんで飲み会自体がないですけど、コロナ前でも、率先してステイホームしてましたね(笑)。福田も率先して帰るよな?

福田 大変申し訳ないんですけど、正直10回誘われて、1回行くかなくらいですね。

益子 いや、20回に1回だべ? 福田はM-1決勝進出の発表の時なんかも「電車がねえから帰る」って帰ったりしてますから。

――それは筋金入りの家大好き芸人ですね。

益子 福田ほどじゃないですけど、俺も家が好きですね~。平日、昼間にみんな仕事してるくらいの時間帯に、横になって甲子園見ながら家でコーヒーを飲んでると、「自分、最高の仕事してんなぁ」って思いますね(笑)。「今日は16時に浅草いって、1本漫才やるだけだな。だから、俺座ってていいんだよな」って。それで劇場に30分前に入って、15分漫才やって家に帰る。それが最高ですねぇ。

 

福田 その反面で早いときもありますけどね。ずーっとアマゾンに行ってる時期とかもありますから。俺らの世代はまだギリギリ、「芸人なんていかに楽して生きるか」みたいなヤクザな世界観が残っていた感じでしたから。「腹が減ったらネタを作る」ぐらいの無頼な感じというか…。俺らはそこまでじゃないですけど、向上心っていう意味では今でもそっちよりの感覚なのかもしれないです。

#2に続く)

写真撮影=文藝春秋/深野未季

U字工事/益子卓郎(ボケ担当)と福田薫(ツッコミ担当)のコンビ。益子は1978年6月16日栃木県出身。福田は1978年5月12日栃木県出身。栃木県立大田原高等学校の同級生だった2人によるコンビで、主に栃木弁による漫才を行う。

『M-1グランプリ』では、2003年から2007年にかけて5年連続準決勝進出。2008年には初の決勝進出を果たし、5位。そこから多くのバラエティ番組などに出演し、活躍。最近も『有吉ゼミ』『有吉の壁』(日テレ系)、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレ朝系)などで存在感を見せている。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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