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永山氏に直撃インタビュー

 東芝経営陣の間で何があったのか。4月11日、筆者は永山氏を直撃した。

――4月6日に永山さんが車谷さんに取締役の辞任を勧告したため、慌てた車谷さんがCVCの買収提案をリークしたと言われています。

永山氏「そんな話を誰から聞かれましたか」

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――情報源は言えませんが、確かな筋の情報です。

永山氏「そうですか。私からは何も申し上げられません」

――CVC出身の車谷さんがCVC最高顧問の藤森さんと節度を超えた付き合いをしていることが投資家の間で問題視されています。

永山氏「あの2人の関係は東芝に入る前からだと聞いています。藤森さんが社外取締役になった後、車谷さんとどんな付き合い方をしていたかは知りません。ただ一般論としては、CEOと社外取締役が節度を超えた付き合いをするのは由々しきことだと思います。私もいくつかの会社で社外取締役をやっていますが、その部分のけじめには十分な注意を払っています」

――CVCからの買収提案はどう受け止めていますか。

永山氏「まだ具体的な条件は何も示されていないわけで、東芝にとっては『何もない』に等しい状態です。我々は『何もない』という前提で淡々と東芝を経営していくだけです。投資ファンドの人たちは『あの事業は売却したら、いくら』『この事業はいくら』と、とかく事業に値段を付けたがりますが、実際の経営はそんなものではない。我々は、東芝には世の中の役に立っている素晴らしい事業、将来性のある素晴らしい技術がたくさんあると思っています。それを活かしていくのが我々の仕事だと思います」

 今回の買収提案騒動に実はなく、追い込まれた車谷氏の「狂言」に限りなく近い。それを言われるままに一面トップで報じた日経の見識も問われるところだろう。「買収提案」が報じられた後、東芝株は3830円から4595円にまで急騰している。車谷氏が辞任したあと、買収話が尻窄みになり株価が下落すれば、日経報道を信じて東芝株を買った人々は浮かばれない。

©️iStock.com

 車谷氏を東芝社長に強く推したのは経済産業省だ。今回のCVCによる買収提案でも、外資による買収の障壁になる改正外為法をくぐり抜けるために、経産省が裏で動いていた節がある。そもそも、経営危機のきっかけとなった海外原発事業の促進を東芝に勧めたのも経産省である。その技術力、社員の優秀さには定評のある東芝だが、経産省の言いなりになっている限り、この会社に明るい未来は訪れそうにない。

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