「赤羽岩淵」どこにある?
南北線を南から見ると、東急目黒線と接続する目黒駅にはじまる。そこから麻布十番や永田町、四ツ谷などを通って山手線内のど真ん中を北に進む。駒込駅で山手線と再び交わると、王子を経て赤羽へ。その途中には西ヶ原駅や志茂駅など、東京の地下鉄でも特に利用客の少ない駅がある。が、西ヶ原駅は大河ドラマ『青天を衝け』の主人公渋沢栄一ゆかりの地。大河ドラマ館も近いのでこれからお客が増えてゆくのかもしれない。
王子から終点の赤羽岩淵までは、北本通り、国道122号の地下を走る。王子~赤羽間というと京浜東北線と同じじゃないかと思うかもしれないが、京浜東北線よりはちょっと東側を走っているのでそれなりに役割分担はできているのだろう。
そして終点の赤羽岩淵駅は、北本通りがカクッと折れて北東に進路を変え、新荒川大橋で荒川を渡ろうという場所にある。JR赤羽駅の少し東側、歩いて10分弱ほど離れている。
「赤羽岩淵」には何がある?
赤羽岩淵駅の出入り口は3か所ある。3か所といってもそれほど離れていないので、どこから出ても同じなのだが、とりあえずは北本通が折れ曲がる交差点のところに出てみよう。出入り口の番号でいえば「3」である。
何の変哲もない出入り口からしばらく北本通りを北にゆく。住所としてはこのあたりが「岩淵町」というようだ。5分ほど歩くと新河岸川と荒川が見えてくる。この川を渡った先はもう埼玉県川口市。
荒川の土手に出て少し東に歩くと、荒川と隅田川の分岐点があって、そこには岩淵水門と呼ばれる水門も見える。赤い水門は1924年に完成したもので、荒川の治水を担う重要な水門だったという。今は運用を終えて青色の水門に役割を譲り、荒川の上流の水量が増えたときに隅田川の洪水を防ぐ任務を担っている。
そんな都県境の北本通り、新荒川大橋から水門とは反対の西側を見ると、埼京線や京浜東北線がゴトゴトと鉄橋を渡って都県をまたいで走っている。どちらの路線も都県境を跨ぐことこそが仕事なのだ。