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「赤羽岩淵」から「赤羽」を目指してみた
こうして都県境を眺めたら、赤羽岩淵駅のあたりに戻って今度は赤羽駅を目指そう。赤羽駅へは出入り口の「1」がいちばん近いという。その出入り口のある交差点には、「JR赤羽駅→」みたいな看板もある。矢印が示す先も北本通りに負けない大通り。両脇にはオフィスビルが建ち並び、地方の大都市のターミナルから伸びる目抜き通りのような雰囲気だ。
ところが、必ずしもこの大通りが赤羽駅への近道ともいえないようだ。赤羽岩淵駅と赤羽駅の間の一帯には赤羽駅前の商店街が広がっている。スナックあり、カラオケ喫茶あり、立呑み屋ありの、いわゆる“味のある”赤羽ワールドである。道筋が入り組んでいるので少し間違えるとかえって遠回りになってしまうが、この商店街の中を抜けていけば赤羽駅までは10分もかからない。
つまり、赤羽岩淵駅は赤羽駅前の商店街にも隣接している。堂々と「赤羽駅」を名乗ったっていいのではないかと思うほど、赤羽らしい赤羽に赤羽岩淵駅は凜と建っているのである。
「岩淵」はどこにある?
だったら「岩淵」とは何なのだろうか。岩淵町という町があって岩淵水門もあるのだからそのあたりの地名なのだろうということはわかる。だが、この一帯を象徴するターミナル「赤羽」とともに駅名を構成するほどの存在なのか、ということだ。
そのナゾを解き明かすべく、この一帯の歴史を調べてみた。
すると、意外とあっさりナゾは解けた。歴史を遡って江戸時代、この荒川の南側の一帯では赤羽より岩淵のほうが重要な存在だったのである。