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――進さんも完璧な人ではないからこそ、人間味があるんでしょうね。
安堂 「あの人、良い人だよね」という人にも絶対にいろいろあるじゃないですか。人間らしさというか、良い面だけなわけがなくて。作中には進さんの子どもも出てきますけど、進さんも決して父親としては良い人間だったわけではないんですよね。「完璧な人なんていない」という部分も描ければ、とは思っています。
連載中に起こったコロナ禍による影響は…?
――連載中には新型コロナウイルスの流行も起きました。
安堂 一回、作中でも「店を閉めるかどうか」みたいな話になったんですよ。コロナ禍の中で、現実の街では風俗店も閉まっているのに「物語の中で店を開けていていいのか?」みたいに思ったんです。「そういう要素を取り入れるのもエンタメなのかも…」とか、どうしたものかと悩んでしまって。ただ、編集さんが「そんなの全然、気にしなくていいよ」という風に言ってくれたので、作中ではあえて現実世界を気にしないことにしました。
「最後までキャラクターの成長を楽しんでほしい」
――作品を描く上で、気を付けていたことはありますか?
安堂 実際に風俗のキャストさんにインタビューしたり、いろいろ資料の本を読んだりしていると、やっぱり大変な世界だし暗い気持ちになることもあったんです。深刻な漫画にすることはいくらでもできちゃうんですけど、だからこそ私はなるべく読後感が良い、読んで気持ちが軽くなるエピソードを描いてきたつもりです。
なので読者の皆さんにもぜひ最後までそういう気持ちで、進さんと女の子たちの成長を楽しんでもらえればとても嬉しいですね。
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