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 それでも「将来のことをどう考えているんだ」とか「なにをゲームばかりしているんだ」とチクチク叱られてイヤな思いもしました。でもこれは不登校児のすべての親が通る道なので仕方なかったと今ならわかります。

『続 学校に行きたくない君へ』では、私の不登校体験もマンガになっているので、参考にしていただけたらうれしいです。

学校の先生は、学校に来ている子のプロ

──なぜ不登校になる子が増えていると思われますか。

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石井 いじめや強いストレスなど明らかな原因がある子もいますが、不登校当事者の3人に1人くらいは自分の不登校の理由を説明できないんです。

 10~15年くらい経つと客観的に語れるようになる人が多いんですが、なぜそんなに時間がかかるかというと、気づかないうちに蓄積した日常の細かなストレスや重圧が自分で解明できるまでに、それくらいの時間が必要だからだといわれています。

 私も自分の経験を話せるようになるまでにはそれくらいの時間が必要でした。言いたくないからではなく、自分でも説明できないのに、「どうして学校に行かないの」と何度も聞かれたら、さらにダメージを受けますよね……。

──わが子が不登校になった時に、子どもの言うことを受け入れるつもりが、言いなりになっているだけというケースもあります。親はどうすればいいのでしょうか。

石井 まず担任に相談すると、困る人が多いと思います。不登校児問題に詳しい場合は別ですが、ほとんどの教師は不登校児のプロではありません。いま不登校が増えているといっても、せいぜいクラスに1~2人です。そもそも学校の先生は、学校に来ている子のプロであり、来ていない子のプロではないので、学校の先生のいうことを聞いたばかりに家の中がめちゃくちゃになることもあります。『不登校新聞』ではよくある話すぎて、最近は「またか」という感じで記事にも取り上げないくらいです。

──でも、わが子が不登校になったらどうするべきかというのは誰も教えてくれません。担任に相談できないとなると、どこに相談すればよいのでしょうか。

石井 私のおすすめは、「フリースクール全国ネットワーク」というNPO法人です。わが子が不登校になったら、まずそこに今の自分の子どもの状況を相談することをおすすめします。

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 自分の住んでいる地域の加盟団体でも本部でもいいと思いますが、電話相談ならたいてい無料です。対面の場合はお金がかかることもありますが、30分5000円がめやすで、この金額を大幅に超えてお金を取るところは信じなくて結構です。

 フリースクールは月額平均が3万3000円ですから、「月に10万円かかります」というところや、「学校に行かせたらいくら」というような成功報酬を謳っているところも、お金を巻き上げるのが目的だと疑っていいと思います。