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2021/04/27

source : 文春文庫

genre : ニュース, 社会, 政治, 経済, 読書

二階弟が担った役割

「弟さんは、そんなワルやないです。ただ、二階の弟というだけで、秘書として置いてもらっているような感じです。虎の威を借りているようには見せますが、自分で仕事を企てるようなタイプじゃない。裏仕事は政策秘書が得意でしたから、もし相談があれば何でも言うてください、とは声をかけてくれますけど、それほど期待できませんでした」

 実弟の英臣と親しい関西の談合担当の業務屋はこう話すが、前出の二階の後援者は別の見方をする。

「二階さんは運輸大臣と経産大臣をしてきた関係から、航空業界や旅行業界に支援者が多い。旅行会社などは、けっこう英臣さんの世話になっています。たとえば旅行代理店を経営するには、当然免許が必要で、それにも一種から三種まである。旅行業第一種は海外旅行の企画手配や日本国内旅行の企画手配ができる免許、第二種は国内の免許、第三種は主に都道府県関連で町の旅行代理店が代売するために取る免許です。旅行代理店は個人でもできるので、独立してやり始める人も多い。しかし、第一種の登録許可を取るには厳しい審査があり、通常3カ月近くかかります。それを英臣さんに頼めば、ひと月で免許が下りた、と喜んでいる業者もいました。やはり力があるんでしょう。もちろんそのあとには、パーティ券を引き受けたり、選挙応援に駆り出されたりはしますけどね」

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 二階事務所に世話になっている業者は少なくない。とりわけゼネコンの業務屋たちにとって二階俊博の実弟は、大きな存在だ。そんな業務屋たちが夜のネオン街に繰り出す。大阪屈指の繁華街であるミナミの一角には、彼らが集うクラブがあった。

「麻雀なんかしておったらね、『ちょっとあとでミナミを覗かなあかんので、付きおうてくれまへんか』とよく誘われました。とくにマリコンの連中は、毎晩のようにそのクラブに顔を出していましたね。二階先生の弟の店やということで気を使うていたんだと思います」