アパレル大手の「GU」が参入するなど、ナプキンのいらない生理用下着「吸水ショーツ」が昨今、話題になっている。そんな吸水ショーツ市場に新たに名乗りを挙げたのが、現役/元サッカー選手の下山田志帆さんと内山穂南さんだ。
「生理用品=ふんわりフェミニン」な商品しかなかったマーケットに違和感を感じていた2人だからこそ生まれたクールなプロダクトの開発秘話と共に、これまでタブー視されてきた「女性アスリートと生理」問題についても聞いた。
――現役/元アスリートのお二人が吸水ショーツを開発した経緯を教えて下さい。
下山田志帆さん(以降、下山田) 2019年10月に内山と一緒にRebolt(レボルト)という会社を起ち上げたんですが、当時日本でも吸水パンツをリリースするブランドが増え始めていたんです。ただ、かわいい感じのフェミニンなデザインしかなくて、自分たちが穿きたいと思うような商品が見当たらなかった。
そもそも私たち自身、競技をする上でずっと生理用品には不快感を感じてきました。だけど「それってしようがないことだよね」と、声を上げることなく飲み込んできたんです。ならばそこに対する問題提起をしようと、吸収型ボクサーパンツ「OPT」の開発に着手しました。
サニタリーショーツが「恥ずかしい」
――ナプキンといったこれまでの生理用品の場合、競技はやりづらいことが多そうですよね。
内山穂南さん(以降、内山) 柔道選手にヒアリングしたところ、激しい動きから真っ白な道着に経血が漏れて染み出してしまうことが当たり前だったそうです。その彼女はおむつ型の生理用品を穿いて競技をしていると言います。
下山田 激しい競技に耐えうる生理用品がなかなかないという物理的な問題だけでなく、メンタル面でも従来の生理用品に違和感や抵抗感を感じていた人が少なくないことが今回の調査でわかりました。
私は以前からボクサー型の下着を好んで穿いていたんですが、商品開発にあたって女性アスリート554人にアンケートをとったところ、普段の下着にボクサータイプを選んでいる人が41%いることがわかりました。
その中からさらにボクサーパンツを愛用している人にヒアリングすると、「女性のパートナーが家に遊びに来た時、フェミニンなサニタリーショーツが干してあるのを見られたくなくてその場で捨てた」という声や、「サニタリーショーツが恥ずかしすぎて、上からボクサーパンツを穿いている」という話を聞きました。