文春オンライン

2021/04/26

下山田 いつも穿いているボクサーパンツと本当に感覚が変わらないんです。それが一番いいなと思ったことですね。ただ私は経血量が多い方で、特に2日目は前日の夜から穿いていたら次の日の夕方に横から漏れてきてしまったので、そこはアップデートしていきたいと思っています。なので、私のように経血量が多いと感じている人は、ナプキンやタンポンの併用やピルの服用がベストだと思います。

試合中にナプキンを落ちてきて…

――そもそも女性アスリートにとって生理はどんな存在ですか?

下山田 正直に言うなら邪魔、ですよね。大学4年生の時、試合中にナプキンを落としたことがあるんです。相手チームのエースがドリブルで切り込んできてシュートしようとした瞬間、ディフェンダーである自分の股からナプキンが落ちてきて。次の瞬間、自分のナプキンとボールの両方を止めるという奇跡がおきたんですけども(笑)。

 今でこそ笑い話ですが、大事な試合をナプキンに邪魔されてるような気がしました。一生したくない経験です。

下山田志帆さん©深野未季/文藝春秋

――ピルや月経カップなどもありますが、それらはアスリートの選択肢には入らないですか。元サッカー日本代表の澤穂希さんは現役時代からピルを飲んでいたと公言されていますよね。

下山田 私は母から「ピルは避妊のために飲むものだ」とか「副作用があるから大変らしい」といった話を聞いてきたせいで、簡単に手を出してはいけないもの、という印象を持っていたんです。これは他のアスリートからもよく聞きますね。

 それに、経済的に厳しい環境の人が多い女子サッカー界の場合、生理痛を緩和するために毎月何千円もお金をかける、という感覚は乏しいように思います。トップ中のトップレベルの選手であれば、ピルを薦めてくれたり、正しい知識を与えてくれるような方が若い頃から身近にいるのかもしれませんが。

©深野未季/文藝春秋

――では基本的に、指導者などから生理についてアドバイスはもらえないのでしょうか。

下山田 私はなかったですね。ただ、これは指導者だけでなく選手自身の意識も関係あると思います。パフォーマンスを左右する大事なことでありながら積極的に介入してこなかったのは、みんなの頭の中で「生理=話すことはタブーなもの」と決めつけ、解決しようとしてこなかったからでは、と。