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下北沢には最強の流れ星☆、かもめんたる……野田クリスタルが“地下時代の師匠”と中野へ流れた理由

“マヂカルラブリーの師匠”モダンタイムス インタビュー#2

2021/04/25

genre : エンタメ, 芸能

note

 実際にハマカーンさんはすぐケイダッシュステージに、流れ星☆さんも浅井企画に所属した。そこで、一旦インディーズがなくなるんです。それまで応援してた人たちが、メインのほうに行ったから。問題は取り残された、オレらとか事務所に入れない芸人たちですよね。

「すみません、全部カメラ下げてください」

――若手のライブというと、コント赤信号・渡辺正行さん(65)が主催する「ラ・ママ新人コント大会」、ブッチャーブラザーズさんの主催ライブは有名ですが、2000年代の地下ライブはまったく別の文脈だったんですね。

としみつ ラ・ママもブッチャーさんも一段上なんですよ。地下じゃない。事務所にオファーがきて、スタッフさんから「ネタ見せに行ってください」と声が掛かって初めて出演できる。だから、まずオレらには話が届かないし、もし率先してエントリーしたとしても、相当勝ち上がっていかないと出られないんです。

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川崎 ラ・ママなんて、ネタ見せするまで何年待ちみたいな世界ですよ。

モダンタイムスの川崎 ©️文藝春秋

としみつ 事務所に入っていれば毎月呼ばれるようなライブなんですけど、オレらはフリー枠じゃないですか。各事務所には「何組きてください」っていうオファーがあるのに対して、フリーは百何十組が1枠のために電話して並んでるような状態。当時は今みたいにネットもないですから電話です。予約して待ってやっとネタ見せしても、まったくハマらないではじかれるみたいな感じでした。

川崎 あの頃は、そういうライブにちょっと興味なかったのもありますけどね。

としみつ オレら、いろんな事務所にネタ見せに行ったんですね。全部落とされて、ちょっとヤケになってた時期があるんですよ。「どうせ受かんねぇだろ」みたいな。

川崎 だんだんヤバい感じになってきて、オレらも。「もうめちゃくちゃやってやろう」みたいな(笑)。

としみつ ちょうど『エンタの神様』(日本テレビ系)が始まった2003年頃って、インディーズライブのほとんどにカメラが入ってたんですよ。片っ端から芸人のネタを撮って、その映像を『エンタ』の演出をしていた五味(一男)さんに全部持っていくみたいで。当時、オレらは尖り過ぎてたので、カメラを見つけると、「すみません、全部カメラ下げてください」って言ってね。

モダンタイムスの、としみつ(左)と川崎 ©️文藝春秋

川崎 『エンタ』がつまらなそうだったからね。嫌だなぁと思って。それ以来20年間、カメラが下がったまんまです(笑)。当時は23、24歳の頃だし、生意気だったんですよ。(#3に続く)

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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