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三四郎、アルピー、ランジャタイに共通する空気感

――地下ライブ出身で、その後売れた芸人さんは何が違っていたと思いますか?

としみつ たとえば脳(みそ夫)さんとかって、途中で変わったんですよね。彼女さんが衣装をやっていて、かわいい方向に切り替えた瞬間にブレークした。

川崎 もともと脳さんは、小道具の「脳みそ」を相手に漫才をやっていて。ある時から路線を変えたんですよ。

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としみつ そういう瞬間でしょうね。永野さんも実は変えてる。ある時から衣装を変えてるし、「ラッセン」にしても「これは獲りに行ってます」って感じがあった。永野さんにしろ、脳さんにしろ、変えた当初はすごくファンに怒られたと思います。「そっちに行っちゃったか」って。でも、2人の場合はそういう声を無視して売れましたよね。

川崎 永野さんって、最初は衣装を同じ服に決めるのが嫌だったらしいんです。ある日、嫁さんがショッピングモールであの水色のシャツを見つけて、永野さんは「こんなの嫌だ」って拒否したらしくて。それでも嫁さんが「1回着てみて」と薦めるので渋々試着したら、ドーンッと何かが変わった。「これだ!」と周りが変わって見えたって聞いたことがあります。

永野(グレープカンパニーホームページより)

としみつ ライブシーンを見てると、「今、こいつがスターだな」っていうのがあって。たとえば三四郎が出てきた時もすごくて、案の定テレビでブレークしましたよね。実はお客さんの笑いって間違ってなくて、応援してる人たちの熱量を見ると「いずれは出ていくだろうな」っていうのは感じます。アルコ&ピースがバーッと人気になっていった時もそうです。今ならランジャタイを応援してるお客さんのあのパワーと空気感。ファンが芸人を押し上げる感じは、どの時代も変わってない。基本的にはそういう芸人が賞レースの決勝に行くんですよ。

錦鯉の「おじさんブーム」が続いて欲しい

――モダンタイムスさんの今後は?

としみつ いま錦鯉さんが売れてますから、このおじさんブームが続いてくれるといいんですけどね。同じ事務所なんで錦鯉さんのバーターでいいから呼んでもらいたい。でもひとつの番組に、おじさんコンビ2組はいらないか(笑)。

モダンタイムスの、としみつ(左)と川崎 ©️文藝春秋

 こういう取材があると必ず、いつかマヂカルラブリー、アルコ&ピース、モダンタイムスの3組で番組とかやれたら本当に幸せだなって最後に言う事にしてるんですよ。これが当面の夢ですね。まあ実現しなかったら、我々のせいですけどね(笑)。

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