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「自分は反社だけどスマホを買えるのか?」暴力団幹部が事前に携帯販売店に問い合わせた理由

「ヤクザの日常生活」の事件簿 #2

2021/04/25

genre : 社会, 働き方

 NTTドコモの「ahamo」やKDDI(au)の「povo」など、携帯電話各社が今年3月から値下げした新サービスをスタートさせたことで、スマートフォンのシェア争いが激化している。

 スマホ以前は通話のみの携帯電話が主流だったが、今やガラパゴス携帯(ガラケー)と呼ばれている。さらにそれ以前は、現代の若者にとっては、「いったい何それ?」と言われそうなポケットベルが連絡を取り合う手段だった。

 1980年代後半にポケベルが認知され始めたが、もっとも利用しているのは、警察官、それに事件取材担当の記者、そして暴力団員とも言われていた。暴力団員は、対立抗争など組からの急な呼び出しに対応しなくてはいけないためだ。

 そんな暴力団員が、いまや生活必需品となっているスマホの新規契約ができない状態となっている。(全3回の2回目。#1から読む)

携帯電話が普及し始めた頃は、携帯会社からゴロが良い番号を提案されたという(写真はイメージ)©iStock.com

スマホの新規契約はダメ

 国内を代表する通信事業者であるNTTドコモには、暴力団など反社会的勢力を排除するため、利用規約の中に、どのような人を排除するのかを示す以下のような規定がある。

「暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団等その他これらに準じる者(以下総称して「暴力団員等」といいます)」(一部略)。

 暴力団排除条例が全国で整備されて以降、このように規定され、契約者は反社会的勢力に属していないことを保証しなければならない。要するに、「暴力団員等」の場合はドコモの規約に反するため、スマホを利用できないことになる。

 同様の規約はKDDI(au)やソフトバンクにもあり、ある特定の会社のスマホなら暴力団組員が利用できるということはなく、実質的に締め出されている。

 しかし、多くの暴力団組員たちはスマホを利用し、LINEやメールで日常的に多くの連絡や情報のやり取りをしている。さらに重要事項については、警察による通信傍受対策のため暗号化アプリを使って連絡しているのが実態だ。

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