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2021/04/25

genre : 社会, 働き方

「ヤクザを辞めて買ってくれ」

 関西地方に活動拠点を構える指定暴力団の幹部は、「自分はかなり前から、複数のスマホを使い続けている。自分名義のスマホではなくいろいろとうまくやっている」と打ち明ける。

 そのうえで、さらに説明を続ける。

「新規に契約しようと思い、ある携帯電話会社に『自分は反社(会的勢力)だけど買えるか』と電話で問い合わせた。すると『どの店舗でもどうぞ。お近くの店でお買い上げ可能です』という回答だったので驚いた」

 しかし、実際は事情が違った。

「そこで、契約の際に交わす書面に必ずある『反社に所属しているか?』というチェック項目を外してくれと頼んだところ、『削除は無理です』と言って来た。“ヤクザを辞めて新しいスマホを買ってくれ”という意味のようだった。反社に所属したまま契約を交わしたら、こっちが逮捕される。携帯電話会社としては新規契約を取りたいということなのかもしれないが……」

暴力団幹部が名義問題で逮捕された例も

 携帯電話の契約をめぐって事件となったケースもある。2017年6月、神戸山口組最高幹部が自分で使う携帯電話を他人名義で契約したとして、詐欺の疑いで兵庫県警に逮捕されている。

 上記のやり取りは、申込者が暴力団などの反社会的勢力に所属していようが、契約後に逮捕されようが、とにかく1件でも新規契約を取り営業成績を上げたいという携帯販売会社の都合が生んだトラブルと言えそうだ。