日本でナゾの間取りが生まれる事情(@中央区)
高度経済成長以来、日本の住宅は大きく形を変えた。寝室と食堂の分離、子ども部屋の個室化、和室から洋間へ……など、好まれる間取りにも多くの変化が生じてきた。その過渡期には、さまざまな挑戦と失敗があった。
かたや東京は世界最大の都市であり、常に土地不足で、単身者が多く、住居費も高い。そんな極端な地域性と時代性の下では、必然的に「変なビル」や「変な家」、「変な間取り」が生まれるものだ。こうした物件はいわば、日本社会の持つダイナミズムの証である。
黒川紀章のように、「変な家」を通じて都市への問いかけを行った建築家もいる。彼の代表作である「中銀カプセルタワービル」のユニットは、ご覧の通りの超・狭小住宅で、現代人が見ても驚く建築としてその姿を保っている。
施主のこだわりや建築家の個性だけでなく、都市計画のひずみや資本のエゴによっても「ナゾの間取り」は増えていくだろう。そんな間取りを見つけては、そこで暮らす生活を妄想する……。こうして今日も、夜が更けていくのだ。
※本稿中の物件は、2018年にダイアプレスより刊行された『事故物件vs特殊物件 こんな間取りはイヤだ⁉』の第1章にて紹介したものです。間取りの図版は、同書に掲載したものと同一のデータを利用しています。
2020年 ライフ部門 BEST5
1位:ベランダ50畳のワンルーム、玄関開けたら0秒でトイレ…日本で続々「ナゾの間取り」が生まれるワケ
https://bunshun.jp/articles/-/45032
2位:築古ボロ戸建てリフォーム投資の恐怖! 江戸川区駅徒歩7分で200万円の激ヤバ物件を購入してみると…
https://bunshun.jp/articles/-/45030
3位:不倫相手と“露天風呂付き部屋”に泊まる常連も…旅館の女将が明かす「ヤバい客」へのおもてなし
https://bunshun.jp/articles/-/45027
4位:コロナ禍で「手遅れ」が増加…失明につながる本当に怖い「目の老化現象」とは
https://bunshun.jp/articles/-/45026
5位:妻にカツラがバレて「背信行為」で逮捕へ…薄毛が引き起こした悲劇7選
https://bunshun.jp/articles/-/45025