4月25日夜9時から始まる日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系)。2005年に放送された前作は、弁護士の桜木建二(阿部寛)が落ちこぼれの高校生たちを東大合格に導くストーリーで一大ブームを巻き起こした。当時30代だったライターの平田裕介さんが、『ドラゴン桜』にハマり見続けてしまう理由を綴った。

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 俺はまごうことなきハゲで、それなりにコンプレックスを抱えていたが、スキンヘッド状態に剃り上げることでほぼ収まった。ハゲをもってハゲを制す。髪は減らしたり増やしたりすれば、とりあえず形を整えることができる。そこで自分なりに折り合いをつけられたわけだ。

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 だが、もうひとつのコンプレックスはなかなか消えてなくならない。それは学歴だ。

大学受験の倍率はとんでもなかった

 現在、俺は48歳。1973(昭和48)年に生まれたので、1971(昭和46)年から1974(昭和49)年までの第二次ベビーブーム世代ぶち当たりの人間となる。この時期の年間出生数は約210万人で、2019年は約86万人である。とにかくガキが多かったゆえに大学受験の倍率は、とんでもないものがあった。高い教育を受けられた方々にしたら「え、あそこって昔は倍率20倍とかだったの?!」と尻餅をつくぐらい仰天する大学もあるが、俺はそういったところは軒並み落ちているし、一浪してそのあたりを再び受けたが全敗している。

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 倍率のせいにしているが、頭も良くはなかった。偏差値は現役で51程度、そこから上がらずに浪人時代でちょびっと上がったくらい。いろいろと頑張ったつもりだが、結局のところどこにも受かっていないのは、頑張っていなかったこと、まるっきり勉強が出来なかったことの証しだ。

 この世代にとって、〈大学〉や〈大卒〉という言葉は大きく伸し掛かるものがあった。ことあるごとに親から「大学だけは出て」「大学に行かないと、後でいろいろと大変だよ」などと言われていたからだ。なんだか〈高卒=人生終了〉みたいなニュアンスだが、両親は高卒である。ゆえに多くの苦労をしたからこその言葉だったのは理解できるが、ガキにとってはやはりプレッシャーである。そんなこんなで大学に進めなかったことに対するコンプレックスが生まれたわけだ。